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君だけ欲しい【気象系BL小説】

第1章 隣にいてよ



翔「え?!いいの??」
智「いいよ。俺、一人暮らしだからどうせ作るんだし、翔くんの分も作ってあげるよ」
翔「でも、やっぱり悪いよ。智くんの時間の邪魔にならない?」
智「ふふ、翔くんは優しいね。でも、俺翔くんと一緒にご飯食べたいんだ。全然邪魔じゃないよ。寧ろ翔くんに会えるしお話できるしいい気分転換になるかも」

智くんの顔は全然迷惑そうじゃないし、自炊は本当に出来なくて困ってたから食費は半分払うって約束して作ってもらう事になった。



翔「本当にありがとう…!…じゃあ、行ってくるね」
智「うん。元気になってよかった。お仕事、頑張ってね。あんまり無理しちゃだめだぞ」
翔「分かってるよ!笑」


12時頃、マネージャーが下まで来たと連絡があったので仕事に向かう俺を智くんが玄関まで迎えに行ってくれた。新婚夫婦ってこんな感じなのかな…なんて何時も慌ただしく家を出て行くのになんだか名残惜しいと思ってしまう。

智「しょおくん…?」
翔「あ、いや!!何でもないんだ!スペアのカードキー渡しとくから自由に使っていいよ!!」
智「ふふ、ありがとう。翔くんなら大丈夫!頑張ってね」

中々出て行かない俺を病み上がりで仕事が不安なのかと勘違いした智くんが両手を広げて俺の方に差し出してきた。不安だったらハグしてもいいよって事だろう。
何十年もこの世界で生きてきたから病み上がりくらいで不安になったりしない。だけど、ちょっと甘えてみたくなって。

翔「ありがとう、智くん…」
智「うん。大丈夫。翔くんの事応援してるよ」

智くんの両腕の中に身体を預けてぎゅって腕を回したら智くんも腕を回してくれた。あったかくて凄く落ち着いて。無理しちゃ駄目だって言われたけど今日はめちゃくちゃ頑張れる気がした。

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