第37章 正反対の入間
「長期に渡る生徒会業務、お疲れ様!
そして、」
「おかえり入間く~ん!」
テーブルの上にはオペラさんと私が腕によりをかけて作った料理の数々が所せましと並べられている。
やっぱり、何時もいた面子が長期で居ないと言うのは中々に寂しいもので、おじいちゃんとオペラさんの感激ぶりといったら、
「無事帰ってきてよかったよ。」
「本当に」
「うん。ありがとう」
ほんわかして、和む。
可愛らしい笑顔に涙を流すおじいちゃん。
「はぁ~この空気!安心する~~今日は、遊ぶぞ!!」
遊び倒して、それぞれの部屋に戻った。
部屋の前でおやすみと言って部屋に入っていった。
そう。
眠る前までは普通だったはずなんだ。
前の日、疲れたのか、何時もより遅い時間に目が覚めて、身支度を済ませ、食堂に行くと、何だかおじいちゃんとオペラさんの様子がおかしい。
ビクビク、オドオドするオペラさんに、テーブルに突っ伏してさめざめと泣くおじいちゃん。
どうしたのやら。
「おはよう。どうしたの?」
「あ、美雪様。それが、」
「おはよう。姉上どの。」
「はぁ!?誰!?」
「入間様です。」
「どうなってんの?」
何時も、バックに花を飛ばしてるふんわり天使のイメージの入間が今は、黒い羽を飛ばす、まさに小悪魔モード。
そりゃあ、おじいちゃんもオペラさんもショックを受けるわけだ。
でも、何が原因?
悪周期が来て、性格ががらっと変わっちゃう現象なんて、
……あ、心当たりあった。
アリさんだ!
絶対、アリさんだよ。
先に食堂から出ていく入魔。
後を追いかける。
アズ君とクララちゃんが様子の違う入魔に戸惑ってるみたい。
「持ちたかったんだろ?やるよ、」
「えっ?あっ、はい!」
「おう、クララ、今日も元気だな」
「えっ、あっ、はい!」
オペラさんに馬車を回させて、アズ君達ともども乗り込む。
「姉上どの、参りますよ?」
先に乗り込んだ入魔が、馬車の中から手を差し出す。
こう言うのをギャップ萌え、って言うのかな?
手を握ると、グッと引き寄せられて、
馬車に乗せられて、入魔の隣に座らされた。
義理だけど、姉弟と言う立場上、密着し過ぎな気がするぐらいの密着ぶりで座って、落ち着かなかった。