第36章 嵐
入間が生徒会に入ってから何日か目、
学校中を駆け巡ったニュース。
それは、生徒会長が可愛らしい乙女に成ったと言うのだ。
「マジ?」
一度見に行ったが、全くの別人で、訳がわからなかった。
見回り中の入間を捕まえて、事情をきいた。
「入間、私に任せて。犯人を突き止めるから。」
と、意気込んだは良いが、何処から手をつけよう。
そうだ。
こんなときは。
「美雪様。お呼びいただき、ありがとうございます。」
「ううん。忙しいのに呼び出してごめんね?」
「いえ、いえ。……最近は入間様ともろくに話せず、ストレスが溜まる一方でしたので、」
「そっかーアズ君も苦労してるのね。」
「はい。して、本日はどのようなご用件で?」
「実は、アメリ生徒会長の件で、」
幾つか収集した情報を元にアズ君と色んな仮説を立てる。
「素人が組み立てた魔術と言うのでしたら、何かしらの元になったアイデアなりがあるはず。」
「そうそう。そのアホみたいな魔術を開発しそうなアホを探す手伝いをしてほしいの。生徒会長に恨みを持つ人物、師団のリストは此方に。」
「わかりました。では、手分けして調べましょう。」
「お願いね!」
頼もしい限りだ。
クララちゃんにも協力を仰いでいる。
クララちゃんの所では変わったゲームを返してないと言う人物が居る事を聞いた。
「どんなゲームなの?」
「恋愛ゲーム。性格別恋愛ゲーム。大和撫子編。」
「ほぉ?何だっけ?何か、引っ掛かった。」
最近、アズ君に聞いたワードが引っ掛かった。
「あ、アズ君?あのさ、前に変わったデータ集が有るって言ってたでしょ?」
繋がった。
「今からそいつ、捕まえにいくよ?」
諸悪の根源、許すマジ。
学校の敷地内、洞窟と呼べる場所にそいつはいた。
アズ君は大分犯人を絞り混んでいて、2年のエリゴス・シネルを犯人候補に入れていた。
今回、クララちゃんから聞いた情報で、疑いは確証に変わった。