第35章 嵐の前の……
入間が生徒会に暫く在籍することになり、家に帰ってこなくなった。
生徒会は学校に寮みたいに寝泊まりできる場所を持っていて、メンバーはそこに泊まり込んでいるのだとか。
入間の事も心配だけど、問題は、おじいちゃん。
「あの子達酷いんだよ?入間君に差し入れしに行ったら、拒否されたんだよ?ちょっとぐらい良いじゃないか!」
学校から帰ってきてからずっとこんな感じで、管を巻かれてる。
「よしよし。寂しいかも知れないけど、暫くは私で我慢して?」
「美雪ちゃん~うわぁん~」
「( ´∀`)ははは」
オペラさんからの同情の眼差し頂きました。
朝、門の所で入間を見る。
こっそり手を降る。
入間も振り返してくれる。
中々にハードな生徒会の活動。
入間はこなせているようだ。
放課後、私は、バラム先生の研究室にいた。
「先生、聞きました?」
「入間くんの話し?」
「そうそう。一日目に、おじいちゃんが生徒会に行ったら、門前払いを食らって、入間に会えなかったって、家で泣きつかれて。家に帰るのが憂鬱な案件なんです。」
「ははは。でも、別の話しも聞いたよ?」
「別の話し?」
「女子生徒が生徒会長にいちゃもんつけたって。」
「…へ、へぇー」
「美雪ちゃんでしょ?」
「あは、わかります?」
入間が生徒会に入って数日がたった頃には、おじいちゃんの愚痴絡みが苦痛になっていた。
少しでも癒しがほしくて、バラム先生の所に来ているのだけど。
「ごめんなさい。ご迷惑でしょう?」
「いや?大丈夫。僕でよかったら何時でも付き合うよ。」
無条件で生き物に触れるから。
と何時ものように撫で回される。
私も、撫でられて安心して、ストレスが少し軽くなる。
暫くはバラム先生通いかな?
入間が帰ってくるまでは。