第34章 魔力の使い方。
さて、黒煙さんに聞こうかしら。
「貴方は誰?」
「……俺ちんは、悪食の指輪の化身ってとこです。
何で喋れるようになったかは知らないです。」
「僕も何がなんだか、」
「いや、…きっと俺ちんの思いが形に成ったんだ!」
「思い?」
「そうさご主人!俺ちんは君に言いたいことが山っ程あるんだ!!」
どうも、悪食の指輪の化身さんは、入間の魔力の使い方が酷すぎると抗議に出てきたようだ。
まあ、主張を聞いてたら、もっともな気がしてきたけど。
今から入間に魔術の使い方をレクチャーしてくれると言う化身さん。
呼びにくいな。
後で、呼び方決めなくちゃ。
ふぁ、眠くなってきちゃった。
ううっ、騒がしいな。
おや、いつの間にか寝てた?
「女装癖に加えて妄想癖まで有るのか貴様ぁ!?」
「あれ、悪食さんどこに、」
「失礼する!!」
「ああ、」
何?痴話喧嘩?
よく、状況が飲み込めない。
「アメリさん~!」
おーい。置いてけぼりかい?
入間はアメリさんと叫んで準備室を飛び出してった。
何があったのさ。
はぁ、お腹すいたな。
詳しい事情は後で、聞くことにして、ご飯食べに行こう。
学食堂でアズ君に入間の事を聞かれたがはぐれたと言っといた。
まあ、入間も小さい子じゃないんだし、ついてまわるのもあれだから。
結局、放課後まで入間と合流することはなく、
家に帰ってきた彼に色々と聞いた。
「じゃあ、アメリさんの誤解は解けなかったんだね?」
「そうです、」
しょぼぼ~んとする入間。
おじいちゃん達も前例を知らず、図書室の本にもそんな記述は載っていなかった。
「もしかしたら、人間と言うのが鍵になってるのかもしれないね?」
「人間、」
「ほら、悪魔が召喚を行えば、呼び出せるのは使い魔だけど、人間が悪魔と同じ方法でも呼び出せるのは悪魔。とか。」
「なるほど。」
「悪食の指輪も、本来は魔力を溜めておく魔具だけど、人間が使えば、他の効果が出てくるのかもね。
だから、人間が長いこと魔界に住むわけ無いから、前例が無いんじゃないかな?
そうなると、おじいちゃんに聞いても、無駄だろうね。」
「そっかー。実は、アリさんに前例があったら人前に出ても良いって言われてるから、前例が無さそうなら、アメリさんに説明も難しいかな。」
「アリさん?」
「悪食の指輪の精霊さんの名前です。」
ほお?
