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異次元の出会い(魔入間)

第31章 後夜祭




私は、椅子に座り、口をあんぐりと開けて、上を向く。
バラム先生は口の中を覗きこむ体制で少し、前屈みになる。

少し、呻いたかもしれない。
それが、状況を知らないカルエゴ先生が変な誤解を招く原因になったと言われても、言いがかりだと思った。


カルエゴside

後夜祭の表彰式も無事終わり、後片付けを新任などに任せて、シチロウの研究室にやって来た。
シチロウの所には担当する生徒が1人世話になっている。
そいつの分も含めて、食料の差し入れを持ってきた。
……担任としての責務を果たしているだけだ。
断じて、その生徒を気にかけている訳ではない。

目的の研究室の中に入る。
何時もの場所に居ないから、奥の部屋だろうと当たりをつけ、進む。

シチロウの背中が見えた。

「うっ……あっ…」
「……直ぐ終わるからね?」

まさか、そんな筈わないと思いたいが、何をしているのだ?
苦しそうなうめき声。
少し、興奮気味で喋るシチロウ。
最悪のシナリオを想定した。

「……何をしているのだ?」
「……カルエゴくん?」



じとーっと睨まれている。
居たたまれない。
バラム先生がカルエゴ先生に詳しく説明したが、

「紛らわしい!」

と怒られた。
何を想像したんですか?
聞きたいけど、バックのオーラが怖くて聞けません。

「もう、後夜祭は終わったの?」
「ああ。」
「…あの、」
「入間達は、あの花火の効果で、支持はかなり集めていた。
だが、今回の騒ぎを起こしたのが魔具研の部長。
事情を考えれば、処罰もあったが、師団披露の主旨に反すると判断し、特別に儲けたトリッキーで賞を与え、入間のランクをギメルに上げた。」

入間は何か結果を残せるとは思ってたけど、心配は、してた。

「よかったね。」
「はい!」
「何が良かっただ!あいつは自分の危険に慣れすぎている。教師に相談もせんで自分でなんとかしようとするなど、一歩間違えば大惨事だ。」
「ははは……」
「お前もだ!」
「ひぇ!?」
「もっと、大人を頼れ。何を遠慮しとるのか知らんが、自分だけで何でも解決できると思うな。」
「は、はい。」

バラム先生がニコニコしてる。

「何を笑ってる。」
「いやぁー?」
「何だ。気持ち悪い。」
「ふふふ。良いことだなって。」
「??」

2人のやり取りは良くわからないが、私の周りには頼れる大人がいっぱいだ。
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