第3章 使い魔召喚
さて、アスモデウス君こと、アズ君は仰々しいこと以外はとても頼りになる。
同じ新入生だと言うのにあらゆる事情に精通しているようだ。
「今から何処へ行くんだっけ?」
「入間様と美雪様は私と同じグループですね。」
「グループって?」
「はい。新入生163名をいくつかのグループに別けて授業が始まるまでの準備をさせるのです。」
「へーそんなんだ。アズ君は詳しく知ってるのね?」
「首席として恥ずかしくないよう入学前にパンフレットを隅から隅まで読み尽くしました。」
「いや~隅から隅まで読んだからってここまで詳しいのも凄いけど。」
おじいちゃんのくれた物の中に学校関係書類は一枚も無かった。
私達が学校の事を事前に把握するのは無理に等しい。
「召喚の間に行きましょう。」
「あ、先に行っててくれる?」
「どうしたの?」
「御手洗い。」
「待ってようか?」
「大丈夫。」
「わかった。先に行ってるね。」
トイレの前を通りかかり、ふと寄っていこうと考えて、入間君達と別れた。
朝から、何となく身体がだるかったが、このタイミングとは。
ここ数年、月ものが来ると体調をくずすようになった。
10代の頃は比較的軽い方だった。
20代でも薬を飲まなくても大丈夫だった。
30代になったら、薬は必須クラスで、ピルを服用しても改善しないパターン。寝込むこともざらにあった。
生理休暇なんてくれない会社だったから、それこそ、這ってでも会社にいって、生理の間は会社近くのホテルから通勤する事もあった。
油断してた。
生理になったことを自覚すると、途端に症状は顕著になる。
腹部の痛みは徐々に酷くなるし、頭も痛い。
身体も重くなるし、脚に力が入らない。
壁に掴まりながら歩くのがやっとだ。
御手洗いからでると廊下には誰も居ない。
授業が始まったのか?
どうしよう。
こんなとき、どうしたら。
途端に心細くなった。
「おい、そこの貴様。どうした。」
廊下の壁にもたれ掛かって座り込んでいたら声をかけられました。