第3章 使い魔召喚
さて、今日は登校初日。
入学式とは別に今日も朝からおじいちゃんのテンションは高い。
自主的に起きてきた私と違い、
入間君は部屋まで迎えにこられて、既に恐縮モード。
それでも、幸せそうにご飯を食べている入間君にわざわざ現実を突きつける。
自覚がないのだからたちが悪い。
「今日から初登校だね!
入間君の為に入学祝い用意したよー奮発しちゃった~。」
あ、違った。用意周到なんだ。
入間君がお人好しなのを良いことに、断りづらくする。
年の功、なのか、そう言う性根なのか。
ああ、丸め込まれた。
まあ、命の保証があるようで、無いようなものだから、強くは出づらいよね。
何されるか分からないこともあるし。
「入間君、そろそろ行こう?」
「は、はい。」
何時までもかかりそうな微妙な押し問答?を切り上げさせて、(入間君も可哀想だし)学校に行くように促す。
学校までの道すがら、自分の押しの弱さに凹んでる入間君に励ましの言葉をかける。
「楽しめる限りは楽しもう?
もし、本当に命の危険に遇ったら、その時は抗うことにしようよ。
おじいちゃんは悪魔だけど、基本は私達の事を考えてくれてるんだからね?」
「そうですね。」
「入間君は学校にまともに通ったことがなかったんだから、ここで、学生生活をエンジョイするってことで。私は、……婚活でもしようかな。」
「えっ?」
「うそ。でも、青春出来たら良いかな?ふふふ」
穏やかに過ごせるかわからないが、まあ、何とかやってくしかない。
………穏やかになんて過ごせないな。
「おはようございます。入間様。
6時間と6分前からお待ちしておりました。」
校門前で、アスモデウス君に会い、かしづく彼の姿を見て、入間君が望む、平凡で、平和な生活は悪魔の世界に来た以上出来ないことをハッキリと自覚させられた。
私も考えが甘かったな。
注目されることに慣れなくちゃいけないのか。
どうしたものか。