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異次元の出会い(魔入間)

第29章 家族



「オペラさん、顔をあげてください。
良くわかってないけど、私は、オペラさんに嫌われては無いってことでいいんですよね?」
「はい。」

安心した。
嫌ってる人に、嫌わないでと言うのも、考えを改めてもらうのも、大変なことだ。
だからと言って、好きになってもらうために、無理をしてはよい関係は作れないと思うし。

…………つまり、私は、考えすぎていたのだ。
マイナスの方向に。

「何だ。考えすぎだったんだ、うぇん」
「美雪様!?」
「美雪さん!?」
「泣かない、泣かない。
オペラ、もっとコミュニケーションとりなさい。」
「わかっておりますが、難しいのです。」
「何故?」
「………そこは、ノーコメントで。」
「……今度、美雪ちゃんを訳もなく泣かせたら、お仕置きだよ。」
「…はい。美雪様、泣き止んでください。」

突然泣き出した美雪。
安心して、緩んだらしい。
オロオロする男達。

なんだ、考えすぎか。
よかったよかった。

今まで黙っていた入間が喋りかける。

「美雪さん。僕は、貴女の事、お姉ちゃんだと思ってます。年下だけど、頼って下さい。僕も貴女を頼ります。だから、僕の家族になって下さい。」
「入間……はい。」

後で、笑った顔がとても良いとか、
まるでプロポーズだったとかおじいちゃんが散々言ってたが、スルーしとこう。

少し、距離は縮まっただろうか?
私の涙腺が緩いのは、どうしようもない。
自分でコントロール出来ないのだから。
それでも、色々とコントロール出来るように鍛えようではないか。
私は、そんなことを考えながら、もう少しだけ、困り顔の、執事で使い魔の従者を眺めたのだった。

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