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異次元の出会い(魔入間)

第28章 走れ、



外では、中庭に集まった生徒達が本祭へのカウントダウンを待ちわびていた。

生徒達はサプライズで集まり、余興の演し物に興奮していた。
片や、教師陣は生徒には悟られないように秘密裏に異変の処理に奔走していた。


「アミィ・キリヲを見つけ出す。
バリアを能力とする、主犯の最重要候補だ。
見つけ次第拘束せよ。」

教師陣に指示を飛ばし、新任を連れて屋上を目指す。

嫌な予感がする。
8割の生徒が迅速に中央広場に集まった。
誘導したつもりが、させられていたとしたら、
犯人は、まだ、アクションを起こしてくる。
多分、最悪のアクションを。
癪だが、アホ理事長に終息してもらう他ないだろう。

「急ぐぞ、新任!」
「はいぃ!!」


美雪side
走って、走って、
バリアの隙間を縫うように走ったけど、突然現れた新たなバリアに阻まれて、これ以上先に進めない。

「やだ、どうして。」

先に進みたいのに、何者かが行く手を阻む。

入間君に危険が迫ってる。
早く行かなければいけないのに、

「通して!通してよ……」

バリアを叩きすぎて、手が痛くなった。

「何をしている?」

背後から声をかけられた。

「カルエゴ先生…」

教師筆頭の厳粛な悪魔が現れた。
新任の駆け出し教師を引き連れて。

「助けて!!入間が、入間が!!」


カルエゴside

錯乱状態の美雪。
落ち着かせるように話しかけてみる。

「何故ここに居る。お前はシチロウの所に……」
「先生!入間が危険な所に、このバリアを張った奴の所に行ったんです。危ないんです。助けて、助けて!!」
「……落ち着け。いま、理事長に連絡を取りに行く所だ。」

何と頭の痛いことばかり。

興奮状態で放置するのも危険と判断して、連れていくことにした。
抱き抱え、歩きだす。

「お前をほっとくと危ないと判断した。暫く、大人しくしていろ。」
「でも、入間が、」
「理事長に連絡を取ったら、自ずと入間の所に行くことになる。……第一、あのアホが、そんなに簡単に殺られるはずわなかろう。」
「………はい。」

何となく納得はしたのだろう、大人しくなった。
バリアに向かって何度目かのケルベルビュートを放つ。

「走る。振り落とされんよう、しっかりとしがみついておけ。」
「は、はい。」

再度、屋上を目指す。
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