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異次元の出会い(魔入間)

第26章 師団披露



「面識は有るのだったな?」
「はい。」

カルエゴ先生はバラム先生に事情を話すと、

「今日はシチロウの特別講義を受ける授業内容にしてやる。教室には顔を出さなくても構わん。シチロウが帰っても言いと判断したなら帰れ。
ただし、一言伝言を寄越せ。良いな?」
「は、はい。」
「では、頼んだぞ、シチロウ。」
「任せて。」

振り返らず、部屋を出ていった。

「…じゃあ、始めようか。」
「はい。」

問診票みたいなのが挟まれたバインダーを渡されて、書き込めるだけ書き込めと言われた。

バラム先生とは使い魔召喚の儀式の時に会って少し話をした。
話と言っても、業務的な内容を交わしただけ。
ほぼ、初対面。
何か、話した方が良いのだろうか?

「……朝御飯は何か食べた?」
「え、…いえ。何も食べないで出てきました。」
「そう。」

何やら棚をごそごそと漁り始めた。
何を探してるのだろう?

「……あった、あった。」
「?」

目的の物をみつけ、次に何やら入れている。
大きな後ろ姿で手元で何をしてるのかわからない。

バインダーに視線を戻し、カリカリと書き込む。
大体書き終わった頃に声をかけられた。

「此方へどうぞ。」
「?はい。」

呼ばれて、近づけば、サンドイッチの乗った皿と湯気がたつマグカップが用意されてた。

「あんまり人来ないから食べられる物を用意してなくて。僕の食料のストックで悪いんだけど、食べて。」
「……あ、ありがとうございます。」
「多分、美味しいはず。」

フランスパンの様なパンにハムとサラミの中間の様な肉とチンゲン菜みたいな葉っぱと春菊の様な葉っぱが挟んであるサンドイッチ。
恐る恐る一口食べると、ああ、普通にサンドイッチだった。
魔界の食べ物は人間界と似てるようで用途とか、味とか違うものが沢山ある。
見た目はお知らせした通りだけど、味は、生ハムとレタスとサラダ菜のサンドイッチ。

「…美味しいです。」
「そう。良かった。」

バラム先生は私が食べるのを眺めながら、そわそわしてた。

「…どうかされたんですか?」
「………触ってもいい?」

聞いてみたら、そう返事が返ってきた。
おっと、危ない人でしたか?

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