第24章 師団見学
何て言う巡り合わせなんだか。
現在、カルエゴ先生により、医務室に連行中です。
俵かつぎで。
女としては、お姫様抱っこがよかった気もするが、それも恥ずかしい。
でも、これも恥ずかしい。
どっちにしても恥ずかしい。
「お手数おかけします。」
「…荷物を運ぶくらいどうってことない。」
まさかの、荷物扱いですか。
グサッと来ました。
しくしく。
もう、口を開くまい。
「今日は、どうする?」
「?」
「迎えを呼ぶのか?」
「えっと、保健医に意見を聞いてから判断しようかと、思ってます。」
「そうか。」
何だろう?
心配してくれてるのだろうか?
優しいな。
「……また、迎えを寄越せないとかで業務を妨げられたくはないからな。」
前言撤回。
きっちり、担任教諭でした。
医務室で相談すれば、少しやすんで、良くならないようなら迎えを呼んで帰ればいいと言うことになり、ベッドで暫く休むことになった。
私がベッドに入るのを確認したカルエゴ先生は、
「後は頼みます。」
と保健医に言って、出ていった。
しきりのカーテンが引かれ、薄暗くなって、目を閉じれば、数秒で寝てしまった。
本来、寝付きは良くない方。
何だろう、本当に私の身体はどうしちゃったのだろうか。
夢をみた。
時代は、平安時代ぐらい。
角の生えた黒髪の男が十二単を纏った女と抱き合う。
2人が愛し合っているのは見てとれた。
しかし、異形と交わることを受け入れられないことは2人ともわかっているようだった。
2人は、全てを捨てて、逃げるけど、女の家の追ってに捕まり、異形の男は抵抗もしないで殺されて。
愛しい男が死んでしまったのを知った女は、気が触れた。
家の不名誉を隠すために、女は何処かの山の屋敷に閉じ込められ、そこで密かに女の子を産んで、暫くして死んだ。
残された女の子は行方知れずになってしまった。
目を覚ますと、遠くからチャイムが聞こえた。
どのくらい寝てたのか、ベッドから降りて、仕切りのカーテンを開ければ、医務室の先生はおらず、窓から見えた外はすっかり夕方になっていた。
「げぇ!寝すぎた。」
程なくして、医務室に入間君が迎えに来てくれた。