第19章 スキ魔⑦
屋敷に帰ってくると、皆帰っていた。
まあ、そうか。
もう、日がくれてるし。
「美雪ちゃん!お帰り。体調どう?」
「はい。大丈夫です。ちょっとはしゃぎすぎました。貧血のようです。」
「ごめんね。向かえにいけなくて。」
「いいえ。朝から体調が悪かったのに、無理に学校に行くと言ったのは私だし。」
「美雪様、約束、破りましたね?」
「!?(怖っ!)」
オペラさんの顔が、めちゃ怖い。
それに、耳も垂れてる。
怒ってるー!
「新しく手にいれました薬を飲んでいただきましょう。」
「え"っ!それって、因みに、どんなお味で?」
「ルカルカよりとっても、苦いですよ(笑)」
顔は笑ってないのに、笑っている様な雰囲気を醸し出されて、正直怖い。
それに、今飲んでいた薬よりも更に苦い薬を飲まなければいけないとは。
なんて、辛いんだー!
入間君がランク昇級したのは嬉しいけど、苦い薬は嬉しくなーい!!
因みに、ルカルカとは滋養強壮の薬で、どんな貧弱な悪魔でも普通レベルに体力をつけることが出来ると言う、万能薬の一種。
これを飲んでいる=虚弱体質。
と位置付けられる。
後から知って、カルエゴ先生の同情に近い気遣いは意味を知っていたからだとわかった。
更に、新しい薬もルカルカの上を行く滋養強壮の薬。
これも服用していると知ったカルエゴ先生は、私の顔を見ると寄ってきて、体調を心配したあげく、お菓子をくれるようになりました。
情けない。