第18章 処刑玉砲
ついに、今日は、昇級試験日。
朝からソワソワする入間君。
食べっぷりは何時もと変わらないけど。
それでも、不安そう。
オペラさんからアドバイスを貰っていた。
「怖いときほど、前に出る。」
入間君は腹をくくっていた。
「美雪様、大丈夫ですか?」
不安そうだけど、元気な入間君とは裏腹に、私は、今朝から調子が悪い。
生理に成るときに近い体調。
でも、今日は、どうしても行きたい。
「だ、大丈夫です。」
「……無理されてませんか?」
「今日は、絶対行きたいです。」
「……わかりました。馬車を出しますよ。」
入間君には先に行ってもらい、おじいちゃんが馬車を用意している間に苦い薬を飲む。
「良いですか?無茶はしないこと。それと、昇級試験が終わったら、連絡をすること。迎えに参ります。」
「いえ、自分で、」
「迎えに参ります。」
「……はい。」
自分で帰ってこれると言おうとすれば、却下される。
しょうがない。大人しく言うことを聞いておこう。
おじいちゃん運転の馬車で学校まで行く。
途中、入間君達を追い越した。
入間君達より先について、入間君達が着くのを校門付近で待つ。
合流して、昇級試験がある運動場まで降りていく。
「カルエゴ先生、今日は、昇級試験は受けません。」
「……了解した。邪魔にならないとこにいろ。」
見てわかるほどに体調が悪いのか、私は。
何も文句は言われなかった。
早めに欠場を伝えると、オペラさんに持たされた簡要椅子を広げて、隅の方、かつ、試合が眺められる所に陣取った。
遠目に、カルエゴ先生がルール説明のためにあの可愛い説明セットを出しているのが見えて、
顛末は何となくわかった。
ドシャッと地面に叩きつけられた説明セット。
おじいちゃんはカルエゴ先生で遊んでんのかしら?
各々、腕章をもらいチームごとに別れていく。
あれ?
アズ君と入間君は別同士のチームだ。
アズ君、ショックだろうな。
何か抗議してるけど、無情にも試合は始まった。
頑張れ!入間君。