• テキストサイズ

異次元の出会い(魔入間)

第2章 物語のはじまり。



「……に代わりまして、特待生入間君。入間君は登壇して下さい。」
「マジか、」

名前を呼ばれた入間君は顔面蒼白で壇上へ上がっていく。

「もう一人の特待生美雪さんも登壇して下さい。」
「マジか(´Д`|||)」

足取りが重い。
気分は絞首台に登る囚人のよう。
壇上に登ると、入間君の隣に立つ。
壇上から見下ろす悪魔達の眼は鋭い。

「『観客はカボチャ。観客はカボチャ。』」

きっと、2人とも空気になりたかったと思う。

「あべるはぅけ、」

えっ、入間君は何を唱え始めたの?
呪文なんて一切知らないはず。

講堂中の悪魔が驚愕していたように、私も別の意味で驚愕していた。

悪魔達の反応からして凄い呪文なんだろうけど、唱え終わった後が怖い。

「……つれさざ。」

どうやら、唱え終わったようだ。
一気に悪魔達が沸いた。

「えっ、えっ、えっ?」
「駄目じゃないか、君。禁忌呪文なんて唱えたら!」
「禁忌呪文!?」

何てものを唱えるんだか。
入間君の反応からして、知らずに唱えたようだ。
となると、おじいちゃんの入知恵か。

「因みに効果とかは?」
「1日転ばなくなるよ。」
「ショボ」✖️2

ショボい効果はさておき。
入学式は閉会して、解散になった。

「おじいちゃんは、入間君に何かさせたいのかしら?」
「ですかね?……僕は平凡なのが一番なんですが。」
「だね。……でも、楽しいなら、少しは刺激があるのも良いかなと思うけど。危険がないなら。」

おじいちゃんが何かさせたいのかな、何て勘ぐっていると、入間君は首席に呼び出されてしまった。

「決闘だなんて、誰か呼びに行った方がいいのかしら。……でも、そんな雰囲気出もないよね?」

止めた方が善いとは思われるが、いかんせん、回りの流れは、囃し立てる雰囲気。
悪魔ってやつは、とことん血の気が多いのか?
ごめん、入間君。
私にも止めること出来ない。
もう、成り行きを見守るしかない。

心苦しいが、ひびりで小心者な私は口を出すことができなかった。


/ 217ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp