第2章 物語のはじまり。
はじめまして。
私は、雪華美雪。
魔界に来る前は、社畜でした。
仕事帰りにサリバンおじいちゃんに出会って、孫になることになり、現在に至ります。
魔界にきて驚いたことは色々とありますが、
なんと言っても、私が本当に孫になったことですか。
(遠い目)
実年齢アラサーの私を、マジに孫にしちまいやがったサリバンじーさん!
ごほん。
おまけに、14歳の男の子も孫にして、年の差一回りちょっとはヤバイでしょう?
それなのに、姉弟として学校に通えって。
正気ですか?
マジですか?
神経図太すぎませんか?
私の繊細すぎる神経は崩壊寸前です。
はぁ。
人間界に居たときはあまり他人と喋らなかったので、口調が直ぐ暴走してしまいます。
申し訳ありません。
…唯一の救いは、同じく人間界から連れてこられて孫になった入間君の存在です。
本当に良い子で、癒しです。
そんな私達は、現在入学式の為におじいちゃんとオペラさんと共に学校に通学中です。
若干、まだ、魔界に居ることに抵抗のある入間君。
まあ、仕方ないか。
私は、アラサーで学校に通わなくてはいけなくなったこと以外は、もう、諦めた。
入間君より一週間早く魔界に来ているので、何となく、受け入れてしまった。
大人になると、向上心が無くなり、諦めるのが早くなる気がする。
私だけかもしれないが。
「美雪ちゃんも入って入って。」
手招きされて、入学式って書いた看板の前で写真撮影。
はしゃぎまくるサリバンおじいちゃん。
パワフルだなー。
校門前でおじいちゃん達と別れて、講堂にいく。
「なぁ、何か良い匂いしないか?」
「そうだな?」
「『絶対、人間てばれないようにしなきゃ』」✖️2
そう心に誓い、極力目立たないように過ごそうと決めた。
なのに、
「入間君~美雪ちゃん~おじいちゃんですよー」
「!!!???」✖️2
講堂内がざわつく。
「そうなんです。孫ができましてね。
孫と撮った写真が此方です。後程配布しまーす。」
あんたは孫を危険に曝したいのか?
あ~あ、胃が痛い。
おじいちゃんの嘘つき~痛いことしないって言ったのに~
「言いたいこと言えたから、挨拶終わりー」
壇上からおじいちゃんが退場し、続いて新入生代表で首席の悪魔が挨拶するらしい。
中々にイケメンだ。
正しく、人間外の美しさ。
悪魔だもんね。
