第15章 それぞれの気づき
次の日から
クララちゃんの涙ぐましい努力を目撃した。
おう、クララちゃん。
それは、違うよ?
ボディータッチはさりげなくだよ?
抱きついちゃ、ほら、おんぶになった。
揺れるものって、ポンポンの被り物じゃないよ?
ほら、アズ君に奇行をやめろと言われた。
こ、香水は適量でー!
臭いがヤバイよー!
あー初心者にありがちな化粧になってる。
私もあんまり詳しくないけど。
壊滅的。
クララちゃんの見てると、自分も誘惑に関して、自信がなくなってきた。
課題をどうクリアしようかと悩んでいたら、クララちゃんが入間君に【誘惑】を特攻してるとこに出くわした。
今までの集大成で突っ込んで行ったけど。
入間君の後ろからカルエゴ先生が歩いてくる。
入間君には絶対回避能力がある。
入間君が避けちゃったら、
あっ、カルエゴ先生危ない!!
あ、あ~あ。
やっぱり、避けた入間君の替わりに、
カルエゴ先生の腹にクリーンヒット。
「先生大丈夫ですか!?」
駆け寄り、声をかけた。
かろうじて意識はある。
「先生、医務室行きましょう。」
抱き起こし、よろよろと立ち上がるカルエゴ先生の身体を支えて、医務室を目指した。
医務室には保険医は居なくて、勝手にベッドを借りた。
「先生、痛みます?」
苦悶の表情。
「…大袈裟だ。」
途中、医務室に行くのを断られたが、何かあったら大変だからと無理に連れてきたのだ。
その事に対して、大袈裟と言われたが。
「多少、大袈裟な方が良いじゃないですか。何もないならないで、その方がいいでしょ?」
「変わってるな。」
「そうですね。よく言われます。」
さて、保険医が居ないので、どうしようかと考える。
湿布ぐらいは張った方が良いが、湿布何てあるのかな?
チョロチョロと医務室の棚を物色する。
「おい、何をしている?」
「えっと、何か冷やすものでもないかなーと思いまして。」
「…湿布ぐらいはあるだろう、」
「あ、起きあがらないでください。探しますから、」
無理に起き上がり、ベッドから降りようとしたので、制止するために駆け寄ると、痛みにぐらついた先生をまた、支えるはめになった。
「!?」
「大丈夫ですか?」
先生の動きが止まる。