第15章 それぞれの気づき
さて、サキュバス族のライム先生の授業初日。
男子禁止なので、女の子しかいない。
「エロスとは育てるもの。
サキュバスは相手好みに姿を変えることもあるけど、もっとも重要なことは相手を落とす技術(テク)!」
ある種、勢いだけでとっちゃったけど、乗りに着いて行けそうにないかも。
早くも後悔。
「じゃあ、テキスト配ります。」
エロ男爵が追い出されてた。
いつ、何処から入ったんだろう。
男子禁止って書いてあるのにね?
「素晴らしいわ!エリザベッタ、89%テキストAね。」
「まあ~♪」
「まあ!意外とあるのね。美雪、82%テキストA」
「何と!?」
自分には見かけによらずエロスがあったらしい。
何処にそんなものが?
人間界ではエロスとは無縁だった。
初彼、脱バージンさえ、成人間際だったのに。
最後の彼氏と別れてからだって、数年浮いた話はなかった。
「オーマイデビル。ベィビーちゃん、貴女は特別テキストよ。全部読んでね。」
クララちゃんとは内容が異なっちゃったみたい。
授業が終わると、クララちゃんはテキストの内容を実戦しに行ったらしい。
私は、どうしよう。
まず、課題をクリアしなくてはいけない。
初授業では異性との親しくなりかたをレクチャーされた。
まずわ、出来るだけ多くの異性と仲良くなること。
ターゲットを誰に定めようか?
多分、クララちゃんは入間君がターゲットのはず。
まあ、身内じゃ駄目だよね。
うーん。
自分から話しかけるのは苦手。
見繕うとか正直、やだな。
もう、放課後だし、今日は帰ろう。
次の授業までに成果をあげれば良いから、一旦保留にしよう。