第9章 飛行レース
「これよりランクの発表を始める。」
カルエゴ先生が腕を掲げるとその腕にふくろうが飛んできて、停まった。
「これはランクふくろうだ。
ずっと貴様らの行動を監視考察していた。」
「今日は鳥ばっかりだな~」
「鳥とりデェーねぇ」
「ちなみに、あれも鳥じゃね?」
「話を続ける!」
魔法で出した机にランクふくろうを下ろす。
「彼の胸の袋に手をいれれば、この様にランクのバッチを授けてくれる。」
取り出したバッチをみせる。
それはケトのバッチ。
すなわち、カルエゴ先生のランクを表している。
感心しているクラスメート達。
「そこの、最下位のクズどもは一番最後な。」
「やーい、やーい、」
クララちゃんがサブノック君に小石をなげる。
「見せしめだからな。せいぜい、小石を投げられ、笑われるが良い。へぇー。」(←めっちゃ悪い顔。)
「陰湿!?」
「一列に並べ!」
皆がバッチを引くのに列をつくる。
ちなみに、私は、号泣するのを入間君から無理矢理剥がされた後、カルエゴ先生の背中側から張り付いてます。
こう、背中側から腰に手を回す様に抱きついているのですが、
後から思い出せば、断然、穴掘って埋まりたいぐらいの恥ずかしいことなんですが、
神経磨り減らしてて、緊張の糸がプツリ切れて、変な興奮作用の物質が出まくってる私には全く、恥ずかしくなくて。
「貴様もそろそろ離れろ。」
「……もう少しだけ、このままでお願いします。」
赤くなった目元で、カルエゴ先生を見上げれば、秒で目を反らされて。
「わかった。」
マジで!恥ずかしいことしてる!
打算的にやった訳じゃないことを宣言します!!
本当に。
その後から、カルエゴ先生は何も言わなくなり、自分の番になって、ランクふくろうのポケットに手をいれた。(まだ、しがみついてます。)
「ダレス。」
信じられない。
アズ君と同じランク。
「(粒揃いか。)
最後のやつ。さっさと引け。」
「は、はい。」
「おっ、入間君の番。」
「何のバッチを引くのかな?」
「へーとか?素敵!」
「そんなあなたが素敵!」
入間君の引くバッチにみな興味津々。