第9章 飛行レース
続々、クラスメート達はゴールするのに、入間君とサブノック君がゴールしない。
「もう、待つ事もない。」
カルエゴ先生はバインダーの名簿から入間君の名前を手をかざし、消した。
「粛に。
授業は終了だ。ランクの発表を開始する。」
「まて、まだ入間様がいらしてない。」
「戻ってこぬものは見捨てるしかない。」
「まっ、待ってください。もう少し、もう少しだけ、」
「時間の無駄だ。」
「でも!」
その時、強い風が吹いた。
「何か来た!?」
獣の雄叫び。
「あれは、金剪の長!?」
「あれが!?」
「何故ここに!金剪の谷から出てくるとは。」
近づく長に、1歩前に出るカルエゴ先生。
「下がってろ貴様ら!」
「まって、先生!あそこ!」
攻撃体制に入ろうとした先生を制して、長の背中を指差す。
「おーい!皆!!」
その光景にショックを受ける先生。
感激するアズ君。
憧れを抱くクララちゃん。
歓喜するクラスメート達。
長の背中から降りてきた入間君に皆、駆け寄る。
そんな中、私は、一目散に駆け寄り、抱きついた。
「バカ、バカ。心配させないでよ!!」
「うぇ、あぁ、ご、ご免なさい。」
「うぇーん。」
「ええぇー!?」
年甲斐なく、抱きついて泣いてしまった。
魔界に来て、私の精神は大分やられていて、摩り切れ寸前。
今回の事で寸前が切れてしまったようだった。
暫く、入間君に抱きついて泣いているのをカルエゴ先生に無理矢理はがされた。
「見苦しい!」
チーン!
遅れすぎたこと、約束を守らなかったことなどを咎められて、
サブノック君と入間君はそれぞれの反省文言が書かれたプレートを首から下げて、ビリコーナーで正座の罰を受けた。