第86章 デビラム
はぁ( ´Д`)
何だか、入間は元気がない。
私も、何故か元気がない。
(自分では理由がわかってるけども、)
2人して、大きなため息をはく。
「……入間は、(ため息なんてついて)どうしたの?」
「姉さんこそ。………アメリさんとの予定がなくなっちゃって。」
「ああ、そう言えば、読書会をしてるんだっけ?
久しぶりの読書会だったの?」
「そうなんだ。音楽祭の練習とかもあったから、
なかなか予定が合わなくて。
やっと、予定が合ったかと思ったんだけど。
姉さんは?何かあったの?」
「あっ、えっ……っと?」
「恋の悩みですか?」
入間がイタズラな笑みを浮かべる。
悪戯っ子のような、悪周期の入間のような。
「ち、違う…ああああぁぁぁ!」
「!?」
その事がプレイバックしてきて、奇声をあげてしまった。
入間がドン引きしてる。
「……何も聞かないで頂戴……」
「う、うん……」
時が解決するような、しないような、
もどかしい話だから、悩むだけ損なきもする。
人間としての焦りもない訳じゃない。
同年代との認識でいいとは思うが、
悪魔の年の取り方なんてわからないし、
確実に自分の老化は進んでいて、
学生生活が終る頃には………
考えたくない。
生々しい話だから、考えれば考えるだけ深みにはまって、
抜け出せなくなりそう。
この話題は底無し沼。
いつかは、答えを出さなきゃいけないだろうけど、
いまは、考えるのをやめよう。
不毛すぎるから。
2人でモヤモヤとした気持ちをもてあまして、
だらだらしてたら、
「2人ともー今日の予定なくなったんだってー?」
唐突におじいちゃんがやって来て、
どこかへ拉致られましたー・・・
どこ!?
ここは何!?
目隠しされて連れてこられたのは、きらびやかな宮殿!?
ほぉあーぁあーーー・・・
はぁっ!!
いつの間にか、ドレスに着替えさせられてる。
「お、オペラさん。
これは?」
「お美しゅうございますよ。
お嬢様。」
お、お嬢様!?
「美雪ちゃん!なんて、美しいの!」
美しい!?
「姉さん!とても、綺麗です!!」
なに?
どうなってるの?
賛辞の嵐で混乱を極める。
混乱したまま手を引かれ宮殿の中に入場する。