第83章 誉れ
私たちは、666点を取り、優勝した。
全校生徒が押すな押すなでお祝いを告げに来てくれる。
プルソンも何だか、吹っ切れたようで、
堂々と賛辞を受けている。
ははは。
良かった。
私は、まだ、腰抜け状態で立てません。
「美雪ちゃん。とても良かったよ!」
「おじいちゃん…ありがとう!」
「えっ!?孫って1人じゃないの?」
群集から外れて座っていた私におじいちゃんが近づいて来て、褒めてくれた。
後から着いてきたのはアムドゥスキアス様で。
「男の子の入間くんと女の子の美雪ちゃんの2人だよ!かわいいでしょ!!やらないよー」
「……女は趣味じゃないけど、
あんたなら、ペットにしてあげても良いわよ?」
「ひぇっ!?」
何か、大変なのに目をつけられたのではないですか?
「さてさて、」
おじいちゃんから引ったくられるように抱き抱えられると、
一気に目線は天井が近くなった。
「あら、とても軽いわね。もう少しグラマラスな方が抱き心地は良いんじゃない?」
「ほ、ほっといてください!」
その後、プルソンと入間もピックアップされ、
プルソンと入間は俵担ぎの様に両腕で抱えられ、
私は肩に抱えられて、
どこかへ連れていかれた。
やって来たのは、王の教室の屋上。
到着すると、肩から下ろされる。
腰が抜けているのは、治っていた。
「さーて!じゃあ、表彰式やるわよ~~!!」
アムドゥスキアス様は、プルソンにトランペットを借りて、
「いいこと、ガキ共!!
この"王の教室"はねぇ、私とデルちゃんの愛の巣なんだから!!
下手に扱ったりしたら喉笛かっきって楽器にしてやるわよ!!
いいわね!!」
凄んだ後、空に向かって、トランペットを構えた。
トランペットも奏者によって形を変えるらしい。
大きく成ったトランペットは、アムドゥスキアス様の魔力で形を少々禍々しく変えた。
そして、流れる祝砲と思わしき音の洪水。
音が視覚化して、津波のような水しぶきをあげて、私たちを巻き上げる。
空には音の川が出来ていた。
「凄い。」
その一言に尽きる。
「さあ、手をおだし」
アムドゥスキアス様が、タクトを振るとシャボン玉のようなものがフヨフヨと皆の手元に降りてくる。
「元13冠アムドゥスキアス・ポロが問題児達にランクダレスを授ける!!」