第80章 戸惑い
さて。
お風呂からあがって、
身支度を済ませて、食堂に来ると、
「入間くーん!?どこ行ったのー!!!!」
「私、探してきます!!入間様!!」
阿鼻叫喚?
入間はまだ帰ってきておらず、
オペラさんと、おじいちゃんが、おろおろワタワタしてた。
時計を見れば、なるほど。
そこそこにデンジャラスな時間。
さすがに準備を始めないと不味い時間ではある。
おじいちゃんをなだめ、
オペラさんに入間が居るであろう場所を教える。
すかさず、風のごとく走り去ったオペラさん。
残された私はおじいちゃんの背中を押して、
ご飯の支度をすることにした。
きっと、入間を連れ帰ったオペラさんにご飯の支度を言われるだろうから。
ほどなくして、オペラさんによって、
布団ですまきにされて、米俵のように担がれて運ばれてきた入間。
「……お話出来た?」
「はい!」
清々しい顔はしてた。
けど、一晩中語り合ったのだろう。
疲労の色が、表情から見てとれた。
「今から、おフロに向かいます。
お話は後で。」
「行ってらっしゃーい🎵」
「わぁぁぁぁ~」
問答無用のオペラさんは、
叫ぶ入間を連れて、お風呂場に駆け込んでいった。
さあ、朝食の準備を完了させましょう。
身支度を調える入間より先に
おじいちゃんを送り出す。
流石に、理事長であるおじいちゃんが、
来賓を出迎えないなんてあってはならない。
少々渋ったが、玄関まで私が見送れば、
「先に行って、待ってるからね?」
「うん。行ってらっしゃい!」
今生の別れでもあるまいに、
涙チョチョ切れさせてるなんて、
さみしんぼうのおじいちゃんだ。
飛び立つと、あっという間に見えなくなった。
やれやれ。
……………なんでしょねぇ?
この、まるで、お花畑で蝶々を追いかけているような幸せそうな顔の入間は?
「オペラさん、これ(うふふ、あはは、状態の入間は)なに?」
「………貴女様が飲んでいるのとは種類の違う滋養強壮剤を服用後の入間様です。」
「大丈夫なの?(頭とか、もとに戻るのとか)」
「……少々、薬の量が多かったようです。
しかし、数時間で元に戻りますので、大丈夫です。」
「はぁ……」
大丈夫だと言うから、信用するしかないか。
頭フワフワな入間を連れて、私たちもバビルスに向かう。