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異次元の出会い(魔入間)

第77章 求愛



あー緊張する。

私は、燕尾服に身を包み、バイオリンの入ったケースを携え、
入間を先頭にプルソン君、私の順で歩いてる。
先生も後ろを歩いてる。

歩いてるのが、校内じゃなくて良かった。
それこそ、完全なる見世物。

もし、公衆の面前だったなら、羞恥心に爆発しそうになるだろう。

それでなくても、既に、溶けてなくなりたい気分でいる。
だって、何が悲しくて、好きな人の前で、男の子の格好をしなくてはならないのだろうか?
オペラさんや、おじいちゃんにも見られたくない。

こう言うところが、女心を入間が理解してないだろうと結論付けられる部分だろうと思う。

あー、後ろからの視線がいたいよー
これで成功しなかったら、入間を突っつきまくってやるんだから!

やり場のないモヤモヤした不満を入間に当てると、決心し、もう、無心になろうと決めた。

しかし、花束を抱えるプルソン君は、……ブッフ。
ちょっと、笑える。
そして、リングボーイみたいだと思った。
なら、差し詰、入間は、花婿さん?
コンセプトが目に見えて決まってるのなら、
もう、何も言うまい。
……文句だらけだけど。
どうやら、無心にはなれそうにない。

さあ、皆が待っている部屋のドアが見えてきた。
ぶちかますぜ!


カルエゴside

また、入間が何かを始めたようだ。

確かに、「リリスの心情」を把握するように言ったとは思うが、
……なんだこれは?
さながら、花婿行列。
結婚を申し込みに行く男の行列。
形から入るのも悪くはないだろうが、
何故、美雪まで燕尾服を着ているのだろうか?

……新鮮と言えば、新鮮だが、何か違う。
俺が見たい彼女の形とは違う。
出きるなら、こう、妖艶な…………

馬鹿か俺は!?
生徒のあられもない姿を望むとは、
教職にあるまじき。

……だが、これは、これで良いな。

内心、ムッツリスケベなのだと、露呈している先生。
自覚が無いので、タチが悪い。


それぞれがドギマギしながら、ダンス組の待つ部屋へ入っていく。

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