第76章 レッスンは
カルエゴside
美雪の成長は凄まじいものがある。
元々秘めていた才能なのか、
水を吸収するスポンジのように知識を蓄える。
今まで、本当に魔術などを学んだことが無かったのかと、疑問に思えるぐらいに。
確かに、楽器の性能もあるだろう。
しかし、それだけでは説明できない分類である。
今日、初めて楽器に触り、数時間後にはその能力すら使いこなし、プロ並みの音楽才能を開花させて魅せた。
本人は解ってないのだろうが、人を誘惑している、その範疇はまさに、「リリス」。
中断した訓練を、
カリキュラムの内容を組み直して、
もう一度やり直した方がいいだろうか?
フェロモンを垂れ流されても、
…………俺が困る。
誰が、他人にやるか。
………ライム先生にもう一度相談するか。
はあ。
頭が痛いだけだな。
しかし、これは、本人の為でもある。
仕方ないこと。
必要なことだ。
断じて、私利私欲のためではない。
そう、自分に言い聞かせた。
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泊まり込むこと数日。
最終的に、私のイメージからインスピレーションを導きだした入間のピアノにあわせて、
練習を重ねて、
漸く、音楽組の連携は決まった。
「これで、皆と合流できるね。」
「うん!皆を驚かせることが出きるよね。」
「……そうだね。」
入間が貴族の正装で現れたときはビックリした。
「ど、どうしたの?その格好、」
形から入る入間は、
「今からダンス組と合流だから、気合いを入れてきたんだ!」
今から、まさに、エリザベッタにプロポーズしにいくつもりで、ビシッと決めてきたのだと言う。
「大丈夫!美雪さんのも衣装を用意してきたよ。」
燕尾服を渡されて、着替えてくるようにと言われる。
プルソン君は、死んだ魚の目。
説得されたようだ。
そうなれば、もう、覆すのは無理。
言う通りにするしかない。
さあ、合流だ。