第76章 レッスンは
入間とプルソン君は女心を理解するためにラブレターを書き出した。
恋い焦がれる女性に向ける気持ち。
それを解るための作業なのだろうけど、
突拍子もなくて、入間らしい。
じゃあ、私は、女の心情を表現できるようにしましょう。
貴方も違う、貴方も、貴方も。
私の望むものをくれない。
頂戴、ちょうだい。
私がほしいもの、
それは?
退屈なのは嫌、愛されないのも嫌。
でも、楽しくないのも、可笑しくないのも、
それだけじゃダメなの。
欲しい、欲しい、欲しい、
私を満たすもの、私を私で至らしめるもの。
私は、私でありたい!
最初は、小さく、控えめの出だし。
徐々にアップテンポになって、速度は早くなる。
アップダウンが激しく、
彼女の感情の起伏を表す。
戸惑い、嘆き、絶望。
そこからの、渇望、希望。
見つけた!私の……
「美雪さん!凄い!引き込まれちゃった!」
引き終われば、入間とプルソン君が此方をキラキラした目で見つめ、拍手してた。
「凄く、解った。彼女の気持ちが。自分の気持ちを押し付けるだけじゃなくて、もっと自分を見て欲しいって言う気持ち!彼女になったようだった!」
途中から、自分が彼女になっていた。
本当は、もっと、私をみて、私を見つめて、私を解って。
誰でも良い訳じゃない。
貴方。
貴方だけに認めて欲しい。
見つめて欲しい。
もっと、もっと、
「おい。練習しろ。」
「は、はい!!」×2
不機嫌顔のカルエゴ先生が登場し、2人を練習に戻した。
2人が離れていくと、
「お前の「リリス」を見せてみろ。」
そう言われて、さっきの感覚で引いてみる。
一通り引いてみると、
「……確かに、お前の「リリス」だ。
しかし、どちらかと言うと、「お前」になってる。
エリザベッタのイメージの「リリス」にしなければいけない。
もう少し、調整が必要だな。」
ちょっと、ショボン(´・c_・`)
落ち込んだのが解ったのか、
「美雪の「リリス」が悪い訳じゃない。」
「はい。(//^-^//)」
慰めの言葉をいただきました。