• テキストサイズ

異次元の出会い(魔入間)

第75章 リリス・カーペット



空中から魔術で数冊の本がまとめて落ちてきた。

「貴様らは曲の理解が圧倒的に足らん
まあ、貴様らの選んだ曲は…
…少々厄介ではあるがな、」

かつて、
魔界に君臨した絶世の美女にして、
魅惑の女悪魔 リリス。

彼女の歩いた道はリリスを求めて
争った男達の骸で埋まり、
リリス・カーペットと呼ばれた

「この曲は、リリスへの讚美と憧憬
彼女を手に入れようとする愚かな男達の曲…
つまり、テーマは…
……愛だ……」

目が点。
メガテン。

「ングッフ!?」

プルソン君が、たまらず吹き出して、ケルベロスに踏みつけられている。

衝撃。
しかし、プルソン君が言うこともわからなくもないし、
でも、似合わないとも思わなくて、
でも、イメージには合わないなとも思うわけで……
混乱してる ゚ ゚ ( Д  )

「いいか、ダンスは物語の演者であり、
音楽は"世界"なのだ。」

ピアノに向かい合うカルエゴ先生。

「プルソン、2小節目だけ合わせろ。
音によって、リリスの世界を構築(イメージ)する、」

力強く弾き始めた。
彼の節だった指が、鍵盤を弾く。

メロディーが進んでいくうちに、
1人の男が美しい女に跪き、その羽の根を捧げる。
そんな情景が見えた。

それが、女が自分で、男が先生に見えたのは、
私の願望。


カルエゴside

知らずに惹かれ、知らずに焦がれた。
その、欲望を自覚すれば、歯止めがかからなくなるのは、目に見えていたから、
その気持ちを、一時は、無いものにしようと躍起に成った。
しかし、それは、運命の歯車に抗えるほど強い意思でもなく、空回りして、誰かが"彼女"を掠めとるのを
指を咥えてみていなくてはならない。
そんな、絶望を味わうくらいなら、
見栄も醜聞もかきすてて、貴女の元に跪こう。
それで、貴女に引導を渡されるならば、本望。

「……けれど決して、"彼女(リリス)"はなびかない……
ーと言う曲な訳だが、わかるか?」

弾き終わり、入間達をみれば、
全員が顔を赤らめている。
美雪さえも。

ああ、その顔は反則だ。
しっかり、バッチリとイメージは伝わったようだ。

「あと、よくわかんないけど、
いけ好かねぇなって思いました。」
「貴様、正直だな。」

プルソンはケルベロスの刑に処す。
/ 217ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp