第7章 アブノーマルクラス
「コースの説明をする。」
パッチンとカルエゴ先生が指をならすと、あの可愛い説明セットが出てきた。
可愛らしく(?)コース説明をしてるんだけど、
カルエゴ先生はこれまた苦虫を噛み潰した顔してる。
やっぱり、嫌いなんだなあの可愛い説明セット。
「さあ、皆で、レッツゴー(ドブシャ!)」
案の定、叩き落とされて、踏み潰されました。
「う"う"ん。…概要は以上だ。」
咳払いをして、仕切り直した先生。
サブノック君が張り切って、金剪(かなきり)の谷コースを進むと宣言していたが、
「ただし、今年は囀り谷コースのみとする。」
「まてーぇい!何故だー!」
「何故か金剪の長の気がたっていてな。」
「金剪の長?」
「金剪の谷を支配する強大な魔獣である。」
「ま、魔獣?」
「だから立ち入り禁止なのだ。
長に遭遇したら命の保証は無い。」
納得いかないらしいサブノック君は絶対金剪じゃないと駄目なのだー!とわめいて、カルエゴ先生に「知るかー」とあしらわれていた。
「総員準備。」
カルエゴ先生が一声かけると、皆、羽を出し始めた。
まずい。
これは、
「ただいまより飛行レースを開始する。」
もう、位置について、の体制だ。
私は、狡いけど、スタートの合図で、エレベーターに避難しよう。
「用意、スタート!」
羽の羽ばたきで土ぼこりが舞う。
皆とは反対方向に走る。
エレベーターに滑り込んだ。
直ぐドアを閉じる。
数分して、エレベーターが動いた。
一瞬、エレベーターの浮き上がるときの不快感があった。
直ぐ、何処かの地面についたらしい。
……いま、物凄く罪悪感で一杯だ。
入間君を見捨ててしまった。
ごめんね。入間君。
「おい。何時までそこにいるつもりだ。」
「!?」
エレベーターのなかで懺悔してたら、声をかけられた。
カルエゴ先生がエレベーターの出入口に立って、私を見下ろしてる。
その表情は、怖い!
バレてたー!