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異次元の出会い(魔入間)

第72章 プルソン・ソイ



「で、どうするの?」

恒例の屋上、トランペット単独演奏会。

きっと、いっぱい吐き出したいことはあるだろう。
屋上に着くと、真っ先にトランペットを取り出した当たり、相当だと思う。

「……それ、聞いちゃう?」
「うん!聞いちゃう。」

答えなんて、解りきってるのに、聞くのか?とねんおしされるが、まあ、そこは、心と意思のある生き物。
揺らぐこともあるだろう。

「考えが変わることも有るかもしれないし?」
「ないよ。」

プパッー!

と、音が鳴り出したら、暫く、会話は出来ない。
音に気持ちと言葉を乗せる、彼なりの『おしゃべり』

思っていても、実行できないのは辛いが、
考えることすらも捨てるように言われるのは、辛すぎるだろう。

自分だけ、不幸だと思ってはいけない。
皆、色々抱えて生きてるのだから。

例え、それが、悪魔であっても。

「世知辛い世の中だよね。」

プルソン君は、大体、決まった時間にここで吹いてる。
だから、音が鳴り出すと、生徒たちは帰り仕度を始める。

微かに聞こえる、帰る音を聞きながら、
何時もより早いリズムのメロディーに乗って、身体を揺らす。
ダンス、までは行かないが、リズムに乗って、身体を動かすのは好き。
もう少し、若ければ、踊ってみたとか、やってみたかったが、もう無理だ。
身体が追い付かない。

だから、少し、身体を揺するぐらいの動作で満足してる。

おっ?
そろそろ終わりかな?

時間にして、長すぎず、短すぎない時間が経っていた。

きっと、まだ、晴らしきれないであろう鬱憤を聞いてあげようと思ったのだが、

「かあぁ~~~~~っっっこいいぃ~~~~!!!」

あら?
入間に捕まったねぇ?
もう、逃げられないね。

あの子は、キラキラと眩しい子だから。
その、輝きに、引き寄せられて、虜になれば、離れられない。

観念することだ。
プルソン・ソイ


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