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異次元の出会い(魔入間)

第70章 それぞれの一歩。



「…先生、」

先生に声をかける。

「…本当なら、この事は、伝えないつもりだった。
今は、まだ。」
「何故?」
「お前が、生徒だからだ。」


カルエゴside

美雪を腕の中から解放すると、直ぐ、背を向けた。

何故ならば、年甲斐もなく、赤くなってしまったこの顔を隠すためだ。

情けないじゃないか。
小娘に振り回されて、とうとう、仕舞い込むはずの気持ちをさらけ出させられるとは。
その上、逆上せたように顔を赤くしたとなれば、格好がつかん。

好きな女の前ならば、少しでも、格好よく見られたい、していたいと、男なら誰でも思うだろう。

それに、俺は教師だ。
美雪がバビルスに居る間は、その関係が覆ることはない。
絶対に。
愉しいことが好きな悪魔であったとしても、
この部分は問題になる。

自衛の為、そう、自分に言い聞かせてきたのに。
子供でも女。
その、恋のためにいろんな壁も、理も壊してくる。
女は幾つでも恐ろしく、パワフルだ。

「全てに、支障を来すからだ。」

目を大きく見開いた、美雪。
そんなことも考えたことがないか?
まあ、そうだろう。

「申し訳ありません。先生のご迷惑を考えてませんでした。
いえ、頭の片隅にはあったはずなんですが、完璧に無視してました。」

違う。
謝罪が飛んできた。
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