• テキストサイズ

異次元の出会い(魔入間)

第69章 溶解



カルエゴside

次は、どうする?
茶を飲ませたら、叩き出すか?
いや、そんなことをすればまた、先程の二の舞だ。
それは、避けねばならん。
ならば、どうする?
どう動けば、更なる面倒を回避できる?

「先生、私は、学校に、いない方が、いいですか、」

随分と方向性が違う方からのアプローチの仕方だ。

「…何故、その答えに行き着いた?」
「………自分の存在を否定されたからです。」
「誰に?」
「………先生です。」

馬鹿な。
そんなはずわない。
否定など。

「だって、そうでしょう?
私は、貴方を失望させた。
だから、特別授業は無くなったし、収穫祭への参加も止めさせたかったんでしょう?
ウォーターパークで近かった距離が放されれば、
そうとしか、思えなくなるじゃないですか!」

そうだな。
ウォーターパークでの距離の近さは、教師と生徒とは違った。
だから、曖昧だった境界線を引き直したかったんだ。

お前は、俺を追い詰めて、どうしたい?
俺をからめとって、どうしたいのだ?

「…教師と生徒の関係に戻っただけだ。
私と、お前は、友ではない。家族でもない。」

ああ、こんなこと言えば、更に傷つくとわかっているのに。

「……入間には、その線を越える許可をしているのに、私にはくれないのですか?」

何を誰にやっていると?
何を言っている?

「何の事だ?」
「無意識なのですか?
貴方は、入間に、もっと頼れとおっしゃってるではないですか。使い魔の契約があるからといっても、
その関係は、妬けてしまいますね。」

本当に何を言っているのだ?
あの、アホに気など許していない。
誰の事を言っているのだ、

「全く、お前の目は節穴だな。
あんなアホに気など許してたまるか。」

心外だ。不名誉だ。

「ここにくるまで、1人があたり前だった。
こっちに来てからは、誰かしら側に居てくれる。
おじいちゃんも、オペラさんも、入間も。
バラム先生も、問題児クラスの友達も、私を受け入れてくれる。
でも、貴方は、私を、見てくれない。
近づいたと思ったら、離れてく。」

必死に喋るそいつを、
愛おしいと思ったのは、何故だろうか?
そんなのは、決まっている。

「私は、貴方のことが、」
「…もう、喋るな。」

腕の中に抱き込んで、喋りを止めさせた。
/ 217ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp