第68章 謝罪
「消えた!!」
「何で!?幻!?」
「落ち着け。貴様ら。」
どうも、クラスのランクを確認して、2[ベト]の人物の話しになって、エリザベッタだけじゃないぞってカルエゴ先生が教えてくれて、プルソン君の話しになった、と言うことなのかな?
にしても、皆、酷いな。
ちょいちょい居たんだけど、認識してないとか。
家系能力って、本当に凄いんだね。
「とにかく!ベト何だろう!?じゃあ、姐さんと一緒に目立ってもらわないと…!」
「それは、難しいだろうな。
特に…目立つのは。」
まあ、そうだ。
プルソン君は、
「問題児クラス。
プルソン・ソイ。
家系能力は、認識阻害。
奴は、絶対に目立たないことを信条としてる悪魔だ。」
「えええええ!?」
まあ、そう言うこと。
放課後、問題児クラスの面々は、プルソン君を探しに出ていきましたよ。
私は、どうしよう?
屋上に行けば、多分、プルソン君は居るだろうから、
そっちに行くか、
何て、考えながら王の教室から授業棟に歩いていたら、
「美雪さん、少し、良いだろうか?」
「……」
オロバスに声をかけられた。
「体調はどうだろうか?」
「…悪くはありません。」
「収穫祭での事を謝りたくて、俺は、あの時、どうかしてた。」
気持ち悪い、気持ち悪い、
怖い、怖い、
トラウマを思い出させた目の前の存在に、嫌悪感。
胃が捻れるような痛み。
吐き気をもよおしそうな不快感。
何かを喋っているが、耳に言葉として入ってこない。
「…もう、いいです。貴方からの謝罪は受け入れます。
それだけです。」
早く、その場から居なくなりたかった。
オロバスの顔なんて見てたくなかったから。
だから、話を遮って、完結させたかった。
なのに、立ち去ろうとする私の腕を掴んで、引き留めた。
「それでは、俺の気が済まない!」
「そんなの、貴方の都合でしょ?
私は、顔もみたくない!」
嫌だ、嫌だ、
触られたくない。
気持ち悪い、怖い、嫌、
オロバスはまだ、何か言いたそうだったが、
もう、何も聞きたくなくて、腕を振り払うと、
一目散にその場から逃げた。