第68章 謝罪
早速、認識阻害メガネをかけて、校門を潜ると、
校門前で浮かれポンチのリード君達が生徒に揉みくちゃにされてた。
「あれが、学習能力の無い面々です。」
アズ君、冷ややか~
何だか、この光景、見たことあるな?
デジャブ?
「王の教室を獲得した時もあの面々は目立ってましたからね。」
ああ、なるほど。
見たことあるはずだな。
浮かれポンチのリード君、カムイ君、ガープ君を回収して、教室に向かう。
「おっ?来た。入間くん、美雪ちゃん、おはよう~
と、…なにそれ?」
「浮かれポンチ達です!」
アズ君に引きずられて運ばれてきたリード君達をなにそれ、と訪ねるジャズ君。
私は、大きな声で、浮かれポンチと答えた。
「まあ、目立つ練習にはいいけど」
全員が4に上がらなければならない。
そして、その最終評価のイベントが音楽祭。
音楽祭では目立ったもん勝ち。
らしい。
音楽祭の話をする面々を他所に、私は、プルソン君を探す。
「あ、居た居た。」
しれっと、席に座ってる。
こんなに堂々としてるのに、誰も彼を認識できないとは。
認識阻害能力、恐るべし。
「プルソン君、おはよう。」
「おはよう。もう、良いの?」
「うん。もう、大分、良いよ。
収穫祭でのこと、ありがとう。
入間から聞いたよ。倒れてた私を先生に知らせてくれたんでしょ?」
「…うん。」
「ちゃんと、評価されるように収穫祭が終了してから知らせてくれて、ありがとう。」
「うん。」
「怖かった?」
「そりゃあ、ね。原因がわからなくて、倒れてんだからさ。」
「本当に、ありがとう。」
プルソン君には、感謝しきれない。
大切な、友達。
「今度、前に話してたチョコレートケーキ、作ってきてよ。それで、あいこにする。」
「!ありがとう。優しいね、プルソン君は、」
「…恥ずかしいこと言わないでよ、」
「えー照れたの?」
「うるさいなぁ、」
優しいプルソン君は、私がこれ以上、気にやまないように、物を要求して、相殺してくれると言ってくれた。
本当に優しいな。
「だから、そこに。」
いつの間にか来ていたカルエゴ先生が、プルソン君を指差してる。
えっ?
何々?
聞いてなかった。
あ、プルソン君、消えちゃったよ。
隣に居たプルソン君は、認識阻害を使って、教室から出てった。