第65章 3日目
誰か、呼んでるの?
誰?
私を呼ぶのは、誰?
私は、誰?
「美雪、」
それは、私の名前?
貴方は、誰?
私を呼ぶ、優しい声。
貴方に、謝りたいことが、
待って、行くから、起きるから、
待って、
「待って!!」
「わっ!?ビックリした。」
「あれ?」
目覚めれば、そこは、自分の部屋で。
側には、入間。
「入間?あれ?収穫祭は?」
「~~~美雪さん!心配したんだよ!!」
「えっ?」
何と。
収穫祭はとっくの昔に終わり、1週間、コンコンと眠り続けていたらしい。
「…美雪さんは、オロバス君の幻術で悪夢を見せられてたんだ。」
「悪夢、」
深層心理のトラウマを増幅させて、相手に見させる厄介な家系能力。
「…私は、」
「美雪さんは、誰かがカルエゴ先生に通報してくれて、発見できたんだ。」
「あ、じゃあ、私、収穫祭は失格になっちゃったんだ。」
「ううん。大丈夫だよ。39500ポイント獲得した上に、採取困難な動植物ばかりだからって、評価して貰えてたし。締め切られてからの、通報だったらしいから。」
プルソン君だ。
カルエゴ先生に通報したのは。
ちゃんとお礼を言っとかないと。
「じゃあ、僕、おじいちゃんとオペラさん呼んでくる。」
「うん。お願い。」
入間が部屋を出ていってから、そんなに間を置かず、
「美雪ちゃ~ん~」
遠くから、自分の名前を叫ぶ声が徐々に近くなり、
勢い良く飛び込んできたおじいちゃんとオペラさん。
「よかったぁ!!よかったよぉぉう!!」
2人とも泣いて喜んでくれた。