第64章 2日目。
プルソンside
数百回、数十分殴り続けた幹は、無惨に凹んで、樹木はバキバキと音をたてて倒れてしまった。
「(う~わぁ~結構な太さあったようだけど(´д`|||))」
その光景を目撃したプルソンは、ドン引いていた。
こんなに、たくましい存在を、危険から遠ざけようとするカルエゴ先生は、確かに、何かの贔屓があるのは間違いなさそうだ。
「……落ち着いた?」
「……………うん。」
倒した樹木には、レア素材がたんまりあって、ちょっと気持ちの落ち着いたと言う美雪と回収してまわった。
それからは、落ち着いたと言う割に、荒んでいる美雪が、猛獣に突っ込んでいくから、ヒヤヒヤだった。
最後は、狩って来るから、そのうち心配しなくなったが、精神面は危うい気がしてた。
「(悪周期?それに近い状態。持つだろうか?)」
彼女が悪周期に入ったら、取り合えず、誰か先生に助けを求めよう。
そう、心に決めるプルソンだった。
カルエゴside
泣きそうな顔で、反論してきたから、
その顔に、身体の奥底に沈めたはずのものが沸き上がりそうだった。
そうだ、俺は、美雪が倒れたあの日、
怖くなったんだ。
興味を持てば、持つほど、無理をさせるのは悪魔の欲のひとつだと解っていた。
それを美雪に課すことが、途端に恐ろしくなった。
悪魔として相反する感情。
もっと、成長を望みつつも、壊すことは、本心ではない。
それを、回避するには、どうしたら良いか、時間が欲しかった。
幸い、美雪は、4(ダレス)。
時間はあると、思っていた。
理由を言わないで、一旦、距離を置こうと思ったのは、愚策だったようだ。
醜い感情を邪推されて、暴かれてしまった。
そうだ。
俺は、美雪を、色眼鏡で見ている。
それこそ、邪な色眼鏡で。
あんな小娘にばれてしまう何て、焼きが回ったな。
修復は叶わないかもしれないな。
ダリside
一時、席を外していたカルエゴ先生が、ほんの少し疲れた様な落ち込んでいるような雰囲気で戻ってきた。
こういう時は、下手に触ると、「お手」をされかねないから、そっとして置こう。
触らぬ何とかに祟りなしだ。