第64章 2日目。
朝。
割りと自然に目が覚めて、起床。
一瞬、自分が今、何処に居るのかわからなかった。
葉っぱ、枝、木。
ああ、今、収穫祭だった。
寝袋に包まれながら、木の上で夜を明かす。
中々に熟睡してしまって、我ながら、肝が座ってると思った。
「おはよ。」
「……おはよ。」
向かい側にプルソン君が同じように寝袋にくるまってる。
目があって、挨拶を交わした。
さて、今日は採集をして、ポイントの獲得に動くぞ!!
と、いきこんだのもつかの間。
「…………」
「……………」
「…何をしている?」
「ヒィィ!?」
暗黒大帝に見つかりました。
昨日、目があった気がしたけど、勘違いじゃなかった。
ビバーク場所を移動しておけばよかった。
それが、悔やまれる。
睨みあった蛇と蛙。
「…お前には、参加不許可書を送ったはずだぞ?」
「私は、納得してません。ましてや、貴方は保護者じゃない。
ただの、担任でしかない。
なのに、何処まで口を挟む気ですか。」
殺りきれない、怒りが、
カルエゴ先生から放たれる、
圧倒しようとする殺気を中和する。
怖いと思わない。
私は、怒ってるんだ。
「……先生には、大変お世話になったし、色々と気にかけて貰ってます。
でも、生徒の芽を摘むのは、違うのではないですか?
どんな、……色眼鏡で、私をみてるつもりですか。」
「!?」
「教師としての忠告でない限り、聞く必要は無いと、判断しました。
これは、オペラさんも承知です。
失礼します。」
何も、発することの出来なくなったカルエゴ先生を残して、その場を立ち去った。
言ってしまった。
言っちゃったよ、
どうしよう、どうしよう。
怒りに任せて、暴言を吐いたような気がする。
だって、私の意思を無視するような態度に腹が立ったのは本当だし、
何かしらの贔屓が働いているような気はした。
自意識過剰かも知れないけど。
それでも、好きな人に非難の言葉を浴びせると言うのは、如何なものか?
ああ、もう!!
「もう!!もう!!もう!!もう!!」
黙って突き進んできた森の奥。
一本の木の前に立つと、拳を幹に叩きつけた。
「な、なにしてんの!?」
「だって、ムカつくんだもん!!」
一旦は止めに入ったプルソンだったが、
その気持ちがわからなくもなくて、止めるのを止めて、見守った。