第63章 とりあえずの目標。
夜が深まり、拠点から近いところで、騒ぎが起こっていた。
「……うへぇ~中々に夜は危険なんだね。」
「…みたいだね。僕らは、上に上がってきたけど、下に居たら危なかったかな。」
「拠点は毎日移動させた方がいいみたいだね。」
「そうしよう。」
「……げっ!?」
ご飯を食べた後、仮眠を取り、木の上に上がってきたことが項をそうしたのか、魔獣達の被害に遇わなかった私たち。
襲われている他の1年生たちを遠目に見ている。
ふと、空を見上げたら、カルエゴ先生が見下ろしている姿が見えた。
木々の間から、此方が見上げてるだけだから、此方の方が見えている訳はないと思いつつも、
「…プルソン君、どうしよう?
カルエゴ先生が上に居る。」
「……このまま、じっとしてよう。そのうち、居なくなるかもだから。」
「うん。」
不安になって、訪ねれば、そう、返事が返ってきたので、そうすることにする。
早く、何処か行って。
「…………あいつ、」
「?どうかしましたか、カルエゴ先生?」
「いえ、何でもありません。」
「そうですか?」
バレバレだとは思いもよらない2人。
収穫祭が終わったら、覚悟しろ、美雪。
不適に笑うカルエゴを目撃したペアの先生は、
「殺られるかと思いました。」
と後日、証言しているほどの凶悪顔だったようだ。
どう時刻、寒気がした美雪。
ご愁傷さまです。
収穫祭本部横のテント。
そこでは、問題児クラスの特別顧問たちが集まって、うちの子達が優秀と雑談していた。
「皆、もー、自分の弟子たちばかりで盛り上がっちゃって、入間君のチームと美雪ちゃんのチームだって居るでしょ!?」
「入間君に美雪ちゃん?」
テント内のライブ画面には恋ばなをする入間氏とリード氏が。
また、別のアングルでは、木ノ上ですやすや眠る美雪嬢とプルソン氏が居た。
「う~ん。収穫祭の自覚なし。一日目の夜にポイントゼロのチームとか。ダメだね。優勝どころか、リタイヤがいいとこよ。」
「あ"あ"ん"?うちの入間、なめんじゃねぇ!!」
講師陣の雑談は、談議に変わり、
夜は、更けていき……
それぞれが1日目を乗り越え、
明日に備えて、
眠りにつく者たちがおおいなかで、
眠らないやつらもいるが、それはまた、別の話。
おやすみ、皆。