• テキストサイズ

異次元の出会い(魔入間)

第60章 おぞましい話し。



度々、見かけてはいたのだ。

ただ、そんなに喋る機会がなかった。

自分の体調管理もままならなくて、早退や欠席が目立っていた。

自分のことで、いっぱいいっぱい。

師団披露の後ぐらいに、偶然、王の教室の屋上で、トランペットを吹く彼を見かけて、その技術に音に感動して、強引に友達になってもらって、今では大の仲良し。

の、はず。

のびのびとトランペットを吹くプルソン君。
気持ち良さそう。
それとは裏腹に、私は、卑屈の中に居た。

弱い身体は、カルエゴ先生すら遠ざけてしまった。
肉体改造を誓って、見返してやりたいと思った矢先に、挫けそうになった。

「美雪様!そんな体たらくでは、見返してやるなど、夢のまた夢。」
「は、はい"!」

オペラさんに相談したその日から、秘密の特訓は始まったけど、ひたすら基礎訓練をするだけ。
正しい呼吸法や正しい身体の鍛え方。
体力をつけて、魔力の供給面の気管を鍛えるのがとりあえずの目標。
ここをクリアしない限り、ダレスより上を目指すこともできず、ましてや、カルエゴ先生に認めてもらうことなど、出来ない。
解ってる。
解っているけど、

「しんどい(;´Д`)ハァハァ」

肉体改造もしつつ、魔力を使うことも忘れない。
毎日、筋肉痛な様なものです。
目に見えた変化はないが、
最近は、やたらと薬臭いかな。
秘密の特訓が始まってから、飲む薬も増えて、
合計五種類。
飲みつつ、観測データを録られ、微妙に配合を変えていくスタイルらしい。

またこれが、苦いの不味いのって!
もう、薬を飲んだら、ご飯食べたくないほど、ドン引きしますよ。
それでも、最低、入間の半分の量を食べるように課されて居るので、入間には、余り食べてほしくないが、
ストレス発散の一環でか、ここ数日は食べる量が増えてますよ。
勘弁して。
あんたの胃袋は、ブラックホールなんだから。

私は、焦ってる。
まだ、特訓を始めて数日だ。
焦るな。焦るな。
いま、やれることをやるしかないのたから。

「だからって!この!陰険教師ー!バカー!」
「!?」

色々考えてたら、なんだか、怒りが込み上げてきてしまった。
突然叫んだから、プルソン君を驚かせちゃった。

「あ、ごめん。」
「……中々美雪も言うね?」
「へへへ。」

バレたときの後が怖いんだけど、言うだけタダさ。

/ 217ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp