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異次元の出会い(魔入間)

第60章 おぞましい話し。



王の教室。

不機嫌顔の陰険教師が今日の授業の終了を告げた。

「では、この後の特訓に向かえ。」

屍類類。
クラスメイト達は疲れきって、あっちこっちに突っ伏している。
1人だけ元気な自分。
肩身が狭い。

陰険教師は、仕事を終えると、無言で立ち去った。

目があっても、直ぐ反らされる。
此方から声をかけても手短に話を終わらされるため、最近は、本当にカルエゴ先生と会う回数も減っていた。

カルエゴ先生が居なくなると、

誰かが、教室内の照明を落とした。
うっすらと暗くなる。
空いてるスペースにクラスメイト達が丸く円を書いて座った。

蝋燭を灯して、座るそのさまは、まるで、
百物語。

「ぶっちゃけ、どうよ?
皆気になってるんだろ?
講師と会って二週間。
他の皆がいかにどんなおぞましい特訓をしてるか、」

皆の輪には加わらないで、声が聞こえるか聞こえないかの位置に座り、話しに耳を傾ける。

家系能力を伸ばすための強制特訓。
水攻め。

楽しいゲームも強制でさせられると、苦痛になる、
ゲーム漬け。

起きている間はずっと殴り合いのバトル。
人間界の80年代の漫画に多い不良系スポ根魂。

安否不明の2人。

魅力を更に磨くための常にポージング。

獣達との精神的苦痛の高い強制コミュニケーション。

………パシリの特訓?

皆、それぞれに特訓に励んでいる。

「……私だけ、取り残されてるな……」
「……入間くんも始まってないみたいだけど?」
「そう?パシリの特訓してるんじゃないの?」
「いや、あれは、特訓じゃないよ。」

隣にいたプルソン君が、合いの手をくれた。

クラスメイト達は講師から連絡がきて、皆、教室を出ていった。

「……最近、本当に空気なんだ~」
「…………みたいだね。僕と居るから?」
「えっ?私も認識阻害使えるようになったの?」
「まさか。」

誰も、私には声をかけてくれなかった。
淋しさが募る。

「…屋上いくの?」
「……もちろん。」

最近は、プルソン君と仲良くなって、度々、王の教室の屋上に着いてくる。
喋る気持ちが高鳴ると、トランペットを吹きに来るプルソン君を見かけたのは、何時だったか。
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