第57章 問題児クラスの新学期
入間達の後について歩く。
学校が見えてきたので、
私は、鞄から認識阻害グラスを取り出す。
これは、オペラさんからの助言。
屋敷の門の前で、私だけ呼び止められる。
「美雪様、此方をお持ちください。」
「?認識阻害グラス?」
「ウォルターパークの事は生徒間でそこそこ噂になってますので、用心のために。」
「えっ、こ、怖いことですか?」
「まあ、報道陣が生徒に変わる程度ですが。」
「!?、助言、ありがとうございます。」
ありがたく、認識阻害グラスを受け取った。
認識阻害グラスをかける前に、入間に一言声をかける。
「入間、私、職員室に用があるから、先に行っててね?」
「うん。わかった。」
校門前で別れる。
認識阻害グラスをかけた私を認識する人は、殆んど居ない。
生徒達の間を縫うように歩き、職員室にたどり着く。
「カルエゴ先生いらっしゃいます?」
昨日、夜に先生から連絡があって、登校してきたらまず、職員室に来るように言われたのだ。
話があるそうだ。
「来たか。」
「お話とは何でしょう?」
「道すがら話す。」
特に話をすることなく、カルエゴ先生と共に王の教室に向かう。
「先に渡しとく。ホームルームが始まったらつけろ。」
「…何ですかこれ?」
「ヘッドホンだ。耳栓代わりにしろ。」
「?わかりました。」
話とは言ったが、目的はこれを渡すことだったらしい。
訳がわからない。
取りあえず、おとなしく受け取っておく。
王の教室に着けば、皆、揃っているようで、
お喋りしてた。
「だからさーこんな僕達に宿題倍増とか、やっぱり、あの暗黒大帝は性格ひん曲がってるとしか…」
リード君が何やらカルエゴ先生の悪口を言っていて、すかさず、制裁が加えられる。
ぶらーん、ぶらーんとリード君が逆さ吊りになってる。
口は災いの元だねリード君?
チャイムがなる。
「本日から新学期である。休みボケも大概にして、授業に備えるように。」
先生が椅子に座り、ふんぞり返っている。
「新学期は収穫祭と音楽祭など、とにかく行事が多く、その都度ランク昇級試験がある。」
ほお?そうなんだね。
「が、それは通常の1年生の話だ…」
先生と一瞬目が合う。
ヘッドホンをした方がいいみたいだ。
すかさず、ヘッドホンをする。
先生が小さな巻物を取り出した。