第56章 過ぎ去りしは、

マジカルストリート。

色んな物が売っている商店街。

おじいちゃんとは、ちまちま来てたりするけど、入間と来るのは初めて。

「ふぁ～凄いな～」
「でしょ。私も、初めて連れてきて貰ったときはとても驚いたよ。」

賑やかな様子におじいちゃん程ではないにしても、なかなかはしゃいでいる入間。
かわいい。

「さぁ、買い物を楽しみましょ。」
「うん！」

ウォルターパークでの事があるので、認識阻害グラスをかけている私達は、広場で少し、もみくちゃになったけど、正体はバレなかった。
今日は、小さな召し使いと言うことで。

先ず、服を揃えることになった。

寒くなるのに備えて、コートとかの防寒具を一式注文する。

「どれも似合うから、端から端まで買うよ！」
「いや、多いよ！」

確かに。
買いすぎ。
コートだけで何十着買う気？

「じゃあ、次は美雪ちゃんの冬服ね？」
「うん。私は、必要以上には要らないからね？」
「えー？…美雪ちゃん、可愛いから、いっぱい似合う服があるのに、、、」
「い・ら・な・い・よ？」
「えー…。残念。あ、でも、正装用のドレスは買わせてね？」
「ドレス？」
「そう。学年末の音楽祭で着る用のドレス。デビラムも出てもらってもいいし、むしろ、連れていこうかな？どうかなオペラ？」
「……デビラムにお連れしてもよろしいですが、護衛は必須かと。」
「だよね。今度、自慢に行ってこよう。」

何だろ？デビラムって？
とりあえず、また、着せ替え人形にはなりたくない。
その為の予防線は張っとこう。

「美雪様、使い魔服従の首輪ですって。いかがですか？」
「えっ？オペラさん、つけてほしいんですか？」

入間とオペラさんがアクセサリーをみていて、私にも話を振ってきた。

「つけていただけるので？」
「どんなプレイですか。私は、そう言うのは遠慮します。」
「別に、所有物とのアピールをしていただいても結構なのですが。」
「もう。オペラさんは、私達の家族なのでしょう？家族に枷は要りません。変なこと言わないで下さい。」
「……ふふふ。そうですね。……あ、伴侶でも構いませんよ？」
「尚更お断りします。頼れるお兄ちゃんで居てください。」
「おや、残念。仕方ありませんね。
お兄ちゃんで満足致しましょう。」