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異次元の出会い(魔入間)

第54章 避難の後半



カルエゴside

美雪の部屋から出ると、
持ち帰った荷物を選り分けた。

選り分けていた最中に、丁度よく食品等が届いたので、それも選り分ける。


はぁ、とため息が出たのは、美雪に拒絶されたような気がしたからか。

当然の反応だろう?
女性特有の事柄を異性に甲斐甲斐しくしてほしいと思うのは、あまり無いだろう。
ましてや、親しくもない男に。
俺がされる側なら、断然、断った。
だから、美雪の態度は間違いじゃない。
……なのに、このやるせなさ。

自分の気持ちを伝えてもいない。
覚悟が固まったわけでもない。
そんな、中途半端な気持ちで接して良い訳でもない。

自分の心にどう折り合いをつけるか。
……確かに、自分は焦っている。

数日、長時間過ごして、自分の気持ちが物凄いスピードで成長していることは解る。
…手離したく無くなっている。
しかし、その気持ちは、どんな感情だ?
自分の気持ちなのに、理解できなくて、戸惑っている。
それで、距離のはかりかたを間違えているのではお笑いだ。
本当に、自分は恋愛感情で、彼女を見ているのか?

……わからない。
欲求不満の目で見ているのなら、雌としては見ているのだろう。
それは、何としてでも排除したい。
欲の捌け口に生徒に手を出して、痛い目をみるのはごめんだ。
ましてや、あれは、理事長の孫。
そして、苦手な先輩の仕える令嬢。
手を出すなら、腹をくくらなくてはいけない。
はぁ、駄目だ。
また、堂々回りだ。
この話は今日は終いだ。


纏まらず、答えのでないモヤモヤに蓋をして、片付けに没頭することにしたカルエゴは、テキパキと動いて全て片付けた。

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