第5章 悪魔の友達。
少々放心状態のフワモコカルエゴ先生を抱っこして、庭園に出てきました。
入間君達を探すつもりで出てきたけど、ざっと見、近くには居ないよう。
ベンチを見つけたので、休憩することにした。
「ちょっと、休みますね。」
返事がなくても、一様、声はかけておく。
そして、触りまくる。
羽毛って感じじゃない。
念子(ねこ)かなやっぱり。
鳥なのに猫毛って。
魔界の生き物の生態は人間界に当てはめられないだろうから、深く考えるのはよそう。
会話がないまま、暫くが過ぎた。
「おい。」
「はい?」
「何時まで触ってるつもりだ。」
「あっ、ごめんなさい。ついつい、さわり心地がいいので、撫でまわしてました。」
そろそろ捜索を再開しなきゃな何て思ってたら、ぼっふん。
と、何やら聞いたことのある音がして、膝が重くなりました。
直ぐに退いてくれましたが。
睨まれました。
「お前達姉弟に関わるとろくなことにならない。」
「……申し訳ありません。」
「先日欠席した使い魔召喚の儀式は他の教師立合いの元、済ませたと聞いたが?」
「はい。理事長の紹介で、バラム先生に立ち会っていただきました。」
「…何を召喚した?」
「……念子、です。」
「念子?それはまともな念子か?」
「…どう言う意味でしょうか?」
「いや。何でもない。」
何となく、言いたいことはわからなくもない。
入間君が悪魔を召喚したのだから、私も、もしかしたら悪魔を召喚したのではないか。
と聞きたいのでは無かろうか?
まあ、自分からはばらしませんが。
「あの時の体調不良は良くなったのか?」
「あ、はい。もう、大丈夫です。その節はありがとうございました。」
「…良くなったのなら、いい。」
「これで、チャラですね。」
ニコッと微笑めば、
プイッとそっぽ向かれた。
「そうだな。…… もう行く。」
「はい。お疲れ様でした。」
遠ざかるカルエゴ先生の後ろ姿を眺めながら、
モフモフの手触りを思い出して悦に浸ってました。