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異次元の出会い(魔入間)

第53章 つかの間の



1人の時間は寂しくて、色々と疎かになってしまう。

「そろそろ、生理が近いんです。だから、精神面が不安定になってまして。」
「ああ、それで。」

この喪失感は生理の前のホルモンバランスの問題だと私は、思っていた。
だから、薬が欲しかったのは本当。
何時もの薬はまだあるのも本当。
言い知れないもやもやする気持ちは、全部、生理のせいにしたかった。

私が、クララちゃんの所に行かなかったのは、生理で不穏な現象をクララちゃん家で招きたくなかったから。
だから、カルエゴ先生の所になった。
それをバラム先生は察してくれたようだ。

「でも、大丈夫?結構な魅惑的な匂いだよね?」

生理の経血は悪魔には、麻薬のようにヤバイしろもの。
あの、オペラさんでも踏ん張らないとプツンといきそうだと言う。

「……選択肢間違えましたかね?」
「ははは。(間違いなんて)そんなこと無いと思うけど。」

暗黒大帝のカルエゴ先生が、更に目付きを別次元に飛ばしてるイメージが頭の中を掠めて、背筋がゾクッとした。
……覚悟しといた方がいいかな?
食べられる覚悟って何だ。

生理時用の薬をつくってもらってる間に持ってきた宿題をこなす。

夢中になって、テキストを書き込んでいたら、
ふと、背後の気配で我にかえった。

「か、カルエゴ先生、」
「……凄い集中力だな。」

振り返れば、カルエゴ先生が立っていて、テキストを覗きこんでいた。

「大分進んでいるな。」
「は、はい。カルエゴ先生は、どうしてここに?」
「何を言っている。もう、昼だ。」
「えっ?本当ですか?」

指摘されるまで気がつかなかった。


バラム先生の分も含めてお昼を持ってきたカルエゴ先生。
3人でもくもく食べた。

カルエゴ先生はバラム先生に何やら業務内容を伝えていた。

「美雪。」
「は、はい?」

呼ばれていることに気づくのが少し遅れた。

「…16時頃に仕事を終わらせてくるから、その頃に帰れる準備をしておけ。」
「解りました。」

食べ終わったカルエゴ先生は、魔茶も飲まずに研究室を出ていった。


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