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異次元の出会い(魔入間)

第53章 つかの間の



今日は、昨日の約束通り、
カルエゴ先生に学校まで連れていって貰えることになりました。

制服は持ってきていないから、どうしようかと迷ったが、先生には私服で良いと言われて、ウォルターパークで着ていたワンピースを着ていくことに落ちついた。

適当な袋に必要なテキストを数冊と筆記用具などを詰めて、朝食を取り、さあ、出発だ。

やっぱり、これは、慣れませんね。
空の旅は、良いけど、カルエゴ先生に抱き抱えられては心臓の健康状態を心配しなければ行けません。
ドキドキ。


人気の無い校内。
カルエゴ先生とは職員室の手前で別れた。
私は、バラム先生の研究室を目指して突き進む。

もう、ここに来るのも何度目だろうか?
両手では足りない位は来ている。
薬をもらいにだったり、愚痴を聞いてもらう為だったり、ただ遊びにとか。
入間と一緒に来たことも多々。
良き理解者である、頼もしい先生。


「何やってるんですか!?」

頼もしい、良い先生だと印象付けときたかったのに、
先生の部屋に入ると、何やら床一面にうず高く積まれた本の山。
地震でもあれば、本の雪崩が起きることは明白で。
いやいや、ドミノのように、ちょっと触っただけでも崩れそう。

「あ、美雪ちゃん、来たの?」

学校に居ることが意外そうに返事が返ってきて、
取りあえず、事情を説明する。

「でも、薬はまだ、あるよね?」
「……はい。」
「他にも理由が有るんだよね?」
「……はい。」

先生の家系能力を知っているから、嘘はつけない。

「実は、少し寂しかっただけです。」


私は、随分と寂しがり屋になってしまった。
終末日が始まって、体調不良で部屋にこもっては居たが、一人じゃなかった。
オペラさんは基本、多分、わざわざ時間を作っては様子を頻繁に見に来ていた。
まあ、寝てることの方が多かったけど。
入間も体調を気にしつつ、私を頭数に入れて、ウォルターパークに誘ってくれたし。
遊園地は楽しかった。
あの、事件は大変だけど、それでも、皆と一緒にいるのは本当に楽しかったし、
カルエゴ先生の色んな事が知れて、嬉しかった。

でも、一人になって、とても辛くなった。
ほんの少し、皆とさよならしただけなのに、何故、こんなに辛いのか?
わからなくなった。
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