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異次元の出会い(魔入間)

第50章 避難



「お、お邪魔します。」
「ああ。」

直ぐ後ろから家主の返事が返ってくる。
変な感じ。

玄関で立ち止まる私を追い越して、先に中に入っていったカルエゴ先生。

はぁ~先生の家はこんな感じなんだー

キョロキョロしてあっちこっち眺める。

「何をしている。早く来い。」
「は、はい。」

痺れを切らした先生に呼ばれ、先生の後を追って、奥に進む。

「何をしていた?」
「あの、先生の家が珍しくて。」

遅れた理由を聞かれて答えれば、

「…どんな理由だ。」
「?」

呆れられた。
何か変なこと言った?

カルエゴside

前々から中々ずれてるとは思ったが、俺の家が珍しいとはどんな返答なのだ。
言葉の裏を推測してみる。

箱入り娘(孫)で、世情に疎い。
難しいことを知っているのに、肝心なことを知らない。
シチロウか?
……類友だったか。
ならば、納得できるか?
いやいやいやいや、違う。
何かが違うぞ?
駄目だ、疲れているのだ。
色々まとまらない。

考えることを止める。


「カルエゴ先生、ご飯、食べましょ?」
「……そうだな。」

人の気も知らないで、とは思っていても言わなかった。

遅い昼食をとり、それから、暫く滞在する美雪の部屋を整えてやる。

その後はお互い自由に過ごした。

私は、自室で持ち帰りの仕事を片付けていた。

美雪は立ち入ったら駄目な場所は有るのかと聞いてきたので、特に無いことを伝えれば、

「色々、見学させていただきますね?」
「……不用意に動かしたり、触ったりはするな。」
「はい。」

そんなやりとりをしたので、きっと探険何ぞしているのだろう。


根を詰めすぎた。
気がつけば、夕方で、外は夜の帳が降り始めていた。

自室から出て、美雪を探せば、台所に居た。

「何をしている?」
「あ、先生。…あの、ご飯を作ってます。」

なるほど。
変わった匂いがする。

「何を作ってるのだ?」
「あ、あの。わた、えっと、郷土料理を。資料でみたので。」

シチロウとみた資料に載っていたレシピだと言う。
シチロウの資料?
可笑しな物じゃなかろうな?

不安になってきた。
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