第49章 キラキラと
料理の他にデザートも数種類。
備え付けの飲み物類もワゴンに乗せて、カルエゴ先生の後に付いて、廊下を歩く。
先生の様にワゴンに魔術をかけようと思ったが、また、オーバヒート状態になるのは避けたかったので、手押しで我慢した。
先生がとある部屋の前で、止まった。
部屋番号を確認すると、聞いていたバラム先生の部屋番号。
ノックもすることなくドアを乱暴にこじ開け、部屋に入っていった。
心臓に悪い訪問のしかただな。
部屋の中からは話し声が聞こえる。
「…おい、入らないのか?」
「あ、入ります。」
先に入っていったカルエゴ先生が、また、顔を出して、一声かけ、促す。
促されて、部屋に入る。
「あれ?美雪ちゃん?」
「私は、バラム先生とご飯が食べたくて、参上しました!」
ビックリ顔だけど、嬉しそうだ。
やっぱり、一人よりは複数の方が楽しいものね。
「スイーツも持ってきたんですよ?」
「へぇー、どんなのがあったの?」
「えっと、ケーキ類とゼリー類に、フルーツと…」
身ぶり、手振りで色々と説明した。
談笑しながら食べてる。
主に話してるのは私で、カルエゴ先生は聞いてるだけ。
バラム先生は相づちをうってくれたり、今日の出来事を教えてくれた。
あ~、良いな~先生達はお酒飲めて。
カルエゴ先生もバラム先生もお酒を飲んでいる。
おじいちゃんはお酒を飲まないので、必然的にオペラさんも飲んでいるふしはないし、入間も飲むわけ無いし。
こう言うのは、1人で飲んでも美味しくないし。
(私の場合だが。そして、これが本当に美味しそうに飲んでいる。)
「カルエゴ先生、そのワイン、一口下さい!」
「はぁ?子供がなに言ってる。」
「美味しそうに飲んでるから飲みたくなったんです。一口!」
「子供にはやらん。」
「子供じゃないです!成人してます!一口!」
「出任せを。」
「カルエゴくん。手遅れみたい。」
「なに?」
「これ、お酒だよ。」
バラムが美雪の飲んでいた空になったビンの匂いを嗅げば、アルコールの匂い。
先程から美雪が飲んでいたビンジュースはカクテルだったようで、すでに5本も消費されていた。