第48章 最後のあがき
ああ、何だろうねぇ?
この変な光景は。
人間界の某テーマパークのパレードのキャストの人達はこんな気分でフロート車に乗ってるのかな?
な訳無いか。
ロノウェ先輩の父が出てきて、事件の後で混乱してるのに、パレードやってのけるって、本当に悪魔って存在は良くわからない。
人間界なら非難轟々もんだよねぇ~
……私の状況も今、良くわからない。
結構、魔術を連発して、軽く眠気が来てるんだけど、
特殊なこの状況に心拍数が上がってて、寝るに寝られない。
だって、か、カルエゴ先生の膝の上って、何?
抱き抱えられるような体勢なんだけど、近い、距離が近い!
「あ、あの、カルエゴ先生、質問良いですか?」
「…何だ。」
「この、状況はどのような状態なのでしょうか?」
「……先輩避けだ。」
「マジですか」
逆効果な気がしますが?
そう思ってオペラさんをみやれば、
なんと、アメリさんみたいなキュンとしてる表情してます。
どう言う事?誰か教えて。
もう、今日はキャパオーバーだ。
「……ねぇ、カルエゴ先生。」
「今度は何だ。」
「私、今日は入間ほどは何もしてないけど、誉めてくれる?」
「……入間のは、無茶をしたから、誉められたことではない。…お前は良く頑張っている。」
「嬉しい。」
「……眠たいのだろ?寝れ。」
「う…ん、おやすみ…なさい…。」
カルエゴside
どいつもこいつも予想だにしない行動をとって、ハラハラさせる。
一番の頭痛の種は、入間だ。
それでも、成長がみてとれるから良しとしよう。
癪だが。
また、この入間の姉である美雪も最近は目を見張るものがある。
1学年にしては使える魔術が多く、ダレスのランクにたがわない魔力量。
機転もきく。
少しずれた考えや思想はあるが、呑み込みの早さや理解力などはずば抜けている。
もっと場数を踏めば、相当光るだろう。
益々目が離せないではないか。
教師としても、……男としても。
大人として甘やかしたいのか、男として構いたいのか、若干、わからない節はある。
そこは、追々摘めていく事にしよう。
今は、眠ればいい。
些細な表情を見逃さなかった両隣は、視線だけで会話していたのをカルエゴは知らない。
「見守りましょう。」
「そうですね。」