第48章 最後のあがき
何で、こんなところにロノウェ先輩が?
ロノウェ先輩が何かを喚いてる。
家系能力で魔獣の注意を引き付けた。
避難所は難を逃れたが、ロノウェ先輩が今度は窮地。
そこに、入間が駆けつけるのが見える。
何をするき?
もしかして、
「チェルーシル!!!!」
大きなアリさんが化けた何かが、魔獣を食べて、魔力を吸いとった。
「ごちそうさま……でしたっ……」
入間!!
地面に降りたって、座り込んでいる入間に駆け寄り、抱きついた。
「入間!!また、無茶して!!」
「おケガは!?だ、大丈夫でしたか!?」
「というか、さっきの魔術はなんだ!?」
「お前はいつもいつも!!ビックリするだろうが!!」
何時も何時も突拍子もない事をしでかす彼には驚かされる。
「入間!貴様は…っ、また無茶を…」
カルエゴ先生が使い魔じゃなかったら、どんな表情をしてただろうか?
鬼のような形相?
「僕…先生に「危険になれるな」って言われたこと忘れてません。
僕は危険なことに慣れすぎて、いつしかその恐ろしさを甘くみるようになっていました。
でも僕の大切なみんなに被害が出そうになって…ようやく、"危険が迫った"時の感覚を取り戻しました。」
入間の顔は、もう、頼りない男の子じゃない。
「すごく…怖かった…僕は、魔獣の前に出た瞬間、「死ぬかも」と思いました。
「みんなに心配をかけるかも」と「結局、誰一人救えないかも」と考えて覚悟して…覚悟した上で、
僕は全部拾おうとした。
それが、それが僕の…っ、『欲』なんです!!」
ああ、顔が興奮で赤くなってる。
震えてるのに、嬉しいとか、…立派な悪魔になって。
うん?
何か変なこと言ったな?私。
「だからと言って勝手なことをするんじゃない!!」
「!?」
やっぱり怒られた。