第47章 ウォルターパーク
劣性で、何の突破口も見いだせないジャズ君達に助言をするカルエゴ先生。
「ジャズ、首のそれは飾りか?」
ああ、やっぱり優しいな。
ジャズ君は、何かを思いつき、仲間と共に行動に出た。
青牛に鳥に乗って近づいていく。
何をするつもり?
きゃっ!うるさ!
何?威嚇?
突然青牛が吠えた。
耳をつんざく咆哮。
私は、耳を塞ぐ。
あっ、ジャズ君が魔獣の耳に、……もしかして!
〔ぴぃぃぃぃ!!!!!〕
咆哮以上の音。
意外と私は、煩くなかったけど。
魔獣は、間近で大音量で聴いたので、脳震盪を起こしたのか、倒れた。
沸き立つ男子達。
よかったね。
……あっ、まだ、駄目だよ。
後ろの魔獣がかすかに動いた。
身体が勝手に前に出た。
ジャズ君達を飛び越えて、
最大出力でバリアを張った。
「間一髪、」
私が、魔獣の拳をバリアで受け止める。
「まったく、これだから……貴様らはまだまだツメが甘いのだ。」
腰を抜かして座り込むジャズ君達を背に、カルエゴ先生が立ち、評価を下す。
「見てみろ。美雪はお前達のツメの甘さを見破ったぞ?
お前達は段取りも悪ければ、最低限の防御もままならない。
採点は
ジャズ40点、リード30点、カムイ30点、ガープ35点。」
右手を挙げて、使い魔を召喚。
「まあ、及第点だな。
因みに、美雪は80点だ。」
バチバチバチッ
三つ首の魔犬が具現化、威圧感を纏って登場。
「ケルベリオン 降手!」
カルエゴ先生の魔獣が青牛の頭に前足を勢いよく降り下ろした。
地面にめり込む青牛。
「あ、うっそぉ、」
「大人って、スゲぇ」
実力の差を見せつけられ、驚愕する男子達。
「楽しかっただろ?
さっさと来い。
写真撮るぞ。」
大人の余裕。